2019年 甲子園から考えるドラフトで注目すべき選手は〇〇

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BASEBALL FUTURE
(ベースボールフューチャー)です。

令和最初の夏の甲子園は、履正社高校の優勝で幕を閉じました。
注目の奥川投手率いる星稜高校は素晴らしい戦いをみせましたが、最後は履正社の「打倒奥川選手」への執念がまさったように思います。

甲子園の次は、この舞台で活躍した選手の内、一体誰が秋のドラフト会議で指名されるかということだと思います。
もちろん甲子園に出場できなかった選手の中にも注目選手がいたり、プロ志望届を出さずに進学やその他の道を目指す有力選手もいるのですが、今回はあえて甲子園に出場した選手の中でプロ野球球団が指名すべき選手をご紹介したいと思います。

注目の投手

まずは何と言っても今年一番の注目であった奥川投手に指名が集まることでしょう。
甲子園が始まる前までは、160km右腕、大船渡高校の佐々木投手が注目を集めており、ナンバーワンの評価であったことでしょう。
しかしこの夏の奥川投手の甲子園でのピッチングは圧巻でした。

今までにも150kmを投げる高校生の投手はたくさんいましたが、奥川投手はその中でもずば抜けて制球力に優れており、かつコンスタントに150km台を連発していました。
最も衝撃的だったのは、智弁和歌山戦で延長14回を23奪三振で投げ抜いた上に、球数を160球に抑えたことです。
通常三振を取れる投手は空振りが多くなるため、バットに当たる確率が低く球数が多くなります。
例えば初球を打ってもらい、アウトにできれば1球で1アウトを取ることができますが、三振の場合最低でも3球を投げる必要があるので球数が多くなるのです。

しかしながら奥川投手は、状態もよかったためか、大会を通じて制球力に優れており、イニング平均では12球前後という少ない球数で相手を抑え込んでいました。
これは今までの速球派投手のイメージを覆すものであったでしょう。
ただ一点気になるのは、投球時の前足の使い方です。
前足の理想的な使い方は、着地して踏ん張る時に膝をやや曲げた状態で、ランジのような形になることが望ましいとされていますが、奥川投手はやや突っ張り気味になっているため、肩や肘にかかる負担が心配されます。
奥川投手の前足

浅尾投手の前足

理想的な前足の使い方

突っ張って投げるピッチャーの例として、元中日ドラゴンズの浅尾投手が挙げられます。
浅尾投手も速球を投げるピッチャーとして知られてしいましたが、最後は故障により若くして引退をしてしまいました。
もちろん奥川投手がこのままではダメだということではなく、また直したからといってさらに良くなるとは限りませんが、プロのスカウトの目にはどう映っていることでしょうか?

続いて注目のバッターは

甲子園では”怪物”と呼ばれるような選手が注目を集めます。大阪桐蔭出身で現日本ハムの中田選手、早稲田実業出身で同じく日本ハムに在籍する清宮選手、さらには昨年の夏を制した大阪桐蔭の根尾選手や藤原選手ですが、そういった意味での”怪物”は不在でした。
あえて大会を通じてMVPの打者を決めるとすれば、優勝した履正社高校4番の井上選手です。
決勝で見せた3ランホームラン、打撃の内容もですが、あの場面で打ったことが本当に素晴らしいと思います。
フォームとして気になる点は、やや骨盤の前傾が弱いこととインパクト時に体が浮き上がり体幹が抜けることです。
骨盤が後傾気味

骨盤が充分に前傾されたフォーム

金属バットを使っているので上半身の力だけでも飛ばすことはできていますが、木製バットになった場合、決勝でのホームランは生まれなかったかもしれません。
また上半身主導でスイングをしているため、バットを振り出すのが早く、プロ野球ではキレのあるボール球の変化球にバットが止まらなくなるのでは、と思います。
もちろん可能性や伸び代を考えると、体も大きいので将来はプロ野球を代表する選手となるかもしれません。
私が最もおすすめするバッターは他にいます。それは同じく履正社高校の1番桃谷選手です。

おそらく多くの方がこの夏印象に残しているバッターの1人だと思います。
私も同じく良い選手だと認識していますが、ドラフト1位で取るほどの選手ではないと考えてはいませんか?
確かに身長はプロ野球で見るとやや小柄であり、大会前から注目が集まっていた選手ではありません。
しかし私はこの選手をドラフト1位で抑えておきたい選手だと考えています。
もちろん他球団がほとんどマークしていなければ、先に競合しそうな選手を指名するのがドラフトのセオリーです。
例えば競合が予想される奥川投手や佐々木投手など、有望な投手です。
しかしそれでも他球団に取られるくらいなら最低でも2位で指名されても良い選手だと考えています。

昨年も高校生野手をドラフト上位で指名することがあったので十分に考えられることでしょう。
指名すべき理由は、初球から完璧にタイミングを合わせることができることと打席内容の良さです。
バッティングにとって最も重要な要素はタイミングを合わせる能力です。
極端な話小学生でもタイミングを合わせることができればプロの球を打つことが可能でしょう。

しかし現代の野球では球速が上がり、変化球の球種も増えたことでタイミングを合わせた中で、ボールにバットをコンタクトさせることが難しくなっています。
桃谷選手は今大会初球打ちが非常に目立ちました。それは絶対的な自信があるから思い切ってバットを振れるという見方もありますが、それ以上にフォームが素晴らしいと私は感じています。

初球から打てる選手は積極的と言われますが、初球から打てない選手は決して消極的というわけではありません。
なぜならば初球から打てないのは気持ちの問題ばかりではなく、タイミングを合わせることができていないという技術的な問題もあるからです。
打席の中でボールに慣れてくれば徐々にタイミングを合わせられますが、3ストライクを取られたら追い込まれる状況下、打率が低くなるのは当たり前です。しかし桃谷選手のように初球から振れるということは、その初球で打てなくてもバットを振ったことでタイミングの修正がしやすくなるので、バッターに有利に働くのです。
桃谷選手を見て思い出すのは、2008年に甲子園を制した大阪桐蔭の浅村選手です。
現在楽天に所属する浅村選手は、大阪桐蔭の1番バッターとして高打率を残し、一気にドラフト候補へと名乗りを上げ、西武ライオンズへ入団しました。
その後は打点王を獲得したり、日本代表にも選出されるなど日本を代表するバッターへと成長しました。
浅村選手もタイミングを合わせるのが非常にうまく、初球から振って打率を残せるタイプの選手です。
小柄という面では苦労するかもしれませんが、スイングの力もあるので、是非とも上位で指名をもらって欲しい選手の1人であると思います。
ps,実際にプロから指名を受けるにはプロ志望届が必要なため、進学を希望していれば今回は指名はされないかもしれませんが、大学に進学し4年後のドラフトでは注目選手となっているかもしれませんね。
昨年のドラフト選手の記事です↓

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