野球における監督の仕事とは?

こんにちは
BASEBALLFUTUREの
依田徹平です

WBC優勝から少し経ち、現在「憧れを超えた侍たち 世界一への記録」という映画が公開されています。ここでは選手の舞台裏や栗山監督の思いなどが記録されています。

特に日本野球の威信をかけ世界一奪還を使命と掲げた栗山監督の重圧は計り知れませんし、少年野球や高校野球の監督とは同じものではありませんが、栗山監督のまるで映画監督のような監督としてのあり方から学べるものはたくさんあると思います。

メンバー選出

監督として優勝という絶対的な目標を叶えるためのシナリオにはそれに値するメンバーが必要です。

まず投打の主役となったのは大谷翔平選手で間違いありませんが、その主役をまず配役したのは監督である栗山監督です。大谷選手と栗山監督との信頼関係がなければもしかしたら出場すらできなかったかもしれません。

その主役である大谷選手を中心としてダルビッシュ投手、山本由伸投手、佐々木朗希投手ら最強の先発陣が形成されます。さらに野手の中心人物となった吉田正尚選手、近藤選手、村上宗隆選手そして大人気となったヌートバー選手の出場も栗山監督でしかあり得なかったことでしょう。

また主力メンバー以外も豪華な野手陣や投手陣、足のスペシャリスト周東選手などそれぞれ所属チームで中心選手として活躍する選手をどう配役するのかが次の監督としての仕事です。

 

野球ファンの心も掴む選手起用

強豪国を破り全勝優勝をする上で、それぞれの選手がそれぞれの役割を果たす必要がありますが、その役割を果たすためにもどのような位置に選手を起用するかがとても大切です。特に今回揃ったメンバーは終わってみればこれしかないというメンバーでしたが、当初はどう起用するか多くの悩みがあったと思います。特にチームでは主力でも控えに回ってもらわなければいけない選手も出てくるのでその辺りの心配りも大切です。

・4番を誰にするのか?
・第2先発に誰を回すのか?
・セカンドは山田選手なのか牧選手なのか?
などなど

こうした悩みがたくさんある中
栗山監督の起用法にはある信念があるように思います。

それは活躍している選手だけを起用するのではなく、時には優勝するために活躍しなければならない選手を我慢強く起用することです。

例えば今大会序盤不調であった村上宗隆選手。4番に起用したものの結果が出ず普通であれば岡本選手をサードで起用しても良かったかもしれません。しかし、栗山監督の頭の中には村上が打って勝つというシナリオがすでに出来上がっていたのだと思います。4番は絶好調の吉田正尚選手に変えたものの村上選手を下げることはありませんでした。

結果として村上選手はその期待に応えて準決勝メキシコ戦での劇的なサヨナラ打やアメリカ戦での貴重な同点ホームランに繋がりました。

こうした「使命を持って生まれた選手」を我慢強く起用し育てることに関して栗山監督の右に出る者はいません。
日本ハム時代も甲子園のスターであった中田翔選手を我慢強く起用し続け4番に育て上げました。もしかしたら栗山監督以外の監督であったら結果が出ないことで長い期間2軍暮らしが続き結果でないまま引退ということもあったかもしれません。

また同じく甲子園のスターである斎藤佑樹投手に対しても我慢強い起用が続きました。結果として大活躍とはなりませんでしたが、こうした野球ファンのロマンを叶えようとする起用法は一貫していると思います。

もちろんそうした絶対的なスター性を兼ね備えた選手以外にも平等にチャンスを与えて活躍の場を提供し成長に結びつけています。プロ野球の世界に入ることができるほどの能力を兼ね備えている選手であれば、ある程度の技術や潜在能力を秘めていることは間違いありません。多くチャンスを与えてチャンスを活かしてきた選手を1軍で起用してあげるだけで監督としての役割は充分です。選手としてこれ以上やりやすい環境はないと思います。しかし、色々なしがらみからかそれができない監督も多いことでしょう。

育成年代の監督として

日本野球界の最高峰であるチームの監督としてではなく一般的な小中高の監督として活かせる点は2つあります。

1.長期的な視点で選手の成長のためにチャンスを与えてあげること
短期的に目の前の試合の勝利のための選手起用をしてしまうと起用されない選手の本来の成長を奪ってしまうかもしれません。特に小中学生の場合は技術的に差がなくても身体の成長スピードの差によって成績が大きく変わってしまいます。将来どのような選手になって欲しいかをイメージまたは選手自身にヒアリングしながらチャンスを与えて経験を積ませてあげることが大切です。

2.短期決戦において投打の軸となりうる選手にその役割を与えること
育成に力を入れつつも公式戦の真剣勝負で勝つことは大切なことです。特に一発勝負のトーナメントで上に勝ち上がるには必ず投打の軸となる選手が必要です。監督の経験から現時点では劣っていても「勝つためにはそうなるべきだ」と思える選手がいるのであれば早い段階からそのポジションで経験を積ませてあげましょう。

・不動の1番or4番バッター
・絶対的なエース
・守備の要のショートやキャッチャー

最初のうちは実力に見合わないポジションかもしれませんが、立場が人を作ることもあります。「この選手が4番を打つようでないと勝てない」「この投手が先発でないと勝ち上がれない」と思えるのであれば起用を続け、選手へ意思を伝えましょう。結果に左右されずに起用を続けることでそれが自信へとつながり好結果を導くことでしょう。

もちろん、取り組み姿勢に問題があったり、他に台頭してくる選手がいれば起用法を変えるのも大切ですし、今回のWBCのように状況によっては臨機応変に打順やポジションを入れ替えることも必要でしょう。

まとめ

こうして振り返ってみると意外と普通なことのように感じます。
しかしこの普通が意外と難しいものです。

・目先の勝ちにこだわり偏りすぎた起用法
・出場機会が減り経験不足で成長できない選手からの不満
・意図のない起用法
・少しのミスで我慢が効かず懲罰交代

これらは選手ではなく監督自身の「負けることへの恐怖」からきているのではないでしょうか?
プロの世界とアマチュアでは全く別物かもしれませんが、栗山監督は

・選手の将来のためにチャンスを与える起用法
・野球ファンが喜ぶ起用法
・監督としての意思表示を込めた起用法
・目先ではなく将来の成功のための我慢の采配

とどこまでも選手一人一人の可能性を信じた起用や采配をしていると思います。

結果論になってしまいますが、こうした起用をするチームは結果的に勝つ可能性は高くなると思います。
選手の起用法に迷っているという方は今一度選手一人一人の特徴や将来なって欲しい姿をイメージしてみてはいかがでしょうか?

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