少年野球の夢・プロ野球選手になるには?〜枝分かれする進路〜

こんにちは
BASEBALL FUTUREの
依田徹平です。

前回まではプロ野球になるにはというテーマで野手・投手それぞれについて解説をしていきました。
その中で高校から先の進路について少し触れましたが、今回は詳しく進路についてお伝えをしていきます。

野球の進路

日本の野球界は小学生から中学野球までも様々なカテゴリーが存在します。
軟式野球、リトルリーグ、リトルシニア、ボーイズリーグ、ポニーなどなど様々な団体があります。しかし、プロ野球を目指している選手は高校ではほとんど高校の部活動で高校野球を行い甲子園を目指すので一気に集約されます。ここでプロ野球に指名される選手は高卒でプロということになります。もちろん高卒でプロ野球選手になったからといって一年目からすぐに試合に出れるという選手はごく一部です。ましてや開幕から先発ローテーションやレギュラーを奪うような選手はそうそう現れません。

ではなぜ指名されたのかというとそれは年齢の若さと伸び代が期待されて指名されるのです。高卒で活躍する多くの選手は3~5年の間に頭角をあらわし、球界を代表する選手となっていくのです。メジャーリーグで活躍するダルビッシュ選手、田中将大選手、前田健太投手は高卒からプロに入り活躍している選手の代表です。

このようにして考えると高校からプロに行くことは伸び代が期待されての指名なので大学や社会人野球のように即戦力が期待されるカテゴリーとは違いある程度プロには入りやすいと言えるかもしれません。しかしこの期間に思ったように成長がみられないと容赦無く3年目であっても首を切られてしまうことがあるのでリスクが伴います。

指名される可能性があるけどプロで活躍ができるかは不安という選手はここでプロ志望届を提出しなければ指名されることはないので、そのまま大学や社会人野球に進むという選択肢があります。

大学野球からプロを目指す場合、指名の確率を高くするには注目されているリーグで活躍をすることです。特に東京六大学野球連盟と東都大学野球連盟は歴史も古く学生野球最高峰のリーグと言われています。

この二つのリーグからは毎年のように複数の選手がドラフト会議で指名を受けるのでこのリーグで圧倒的な数字を残せばプロ入りはほぼ確実と言えるでしょう。
私も東京六大学の一つである法政大学で4年間を過ごしましたが、在籍中のチームメイトのうち10名の選手が後にプロ野球選手となりました。

同じリーグの他校の選手まで含めると本当に数えきれない選手が指名を受けているのでまさにプロ野球の登竜門と言えるリーグでしょう。(ちなみに今年は六大学から8名の選手が指名を受けました)

その他のリーグであっても素晴らしい成績を残したり、全国大会で活躍したり日本代表に選ばれることで一気に注目度が上がり指名のチャンスが広がることでしょう。

大学野球の場合は卒業をする4年目の秋のドラフト会議に向けてプロ志望届けを提出し指名を待つことになるので高校卒業後から最低でも4年間はプロに行くことができません。

この4年間という時間は難しく、1,2年目の調子であればプロに行けたのにラストシーズンで調子を落としてプロ入りが叶わなかったり、逆に高校で注目されていなかった選手が大学の4年間で急成長をしてプロから指名されることもあるでしょう。

大学からプロに入り活躍している選手もたくさんいます。今活躍している柳田選手や秋山選手、今年のドラフトでいうと早稲田大学の早川投手や近畿大学の佐藤選手
が例となります。

大学を卒業したタイミングでプロに指名を受けられなかった場合でもまだ可能性はあります。それは社会人野球に進んだり独立リーグなどに挑戦をすることです。

社会人野球の場合は野球選手として会社に就職をするので誰でも入れるものではありません。本当に選ばれた選手だけが社会人野球に進むことができるのです。

独立リーグも同じようにチームそれぞれでレベルは異なりますが入団テストなどがありそう簡単に挑戦できるところではありません。

ですがどちらのリーグもレベルが高く毎年のようにドラフト指名を受ける選手が多くいます。

大学卒業後から社会人野球、独立リーグに挑戦する場合、1年目から指名を受けることはありません。指名が解禁となるのは2年目の秋のドラフトからになります。ちなみにプロ志望届の提出は必要なくいきなり指名されるということもあり得ます。

社会人野球と独立リーグの違いはその環境にあります。どちらかというと社会人野球の方が社員として働き野球をしているので待遇が良く他の社員と同じように給料をもらえています。

一方独立リーグの場合は野球チームとして運営をしていく中で給料が支払われているので経営が難しく、選手の給料もそう多くはありません。シーズンオフにはバイトをしている選手がほとんどです。しかしそうした苦しい環境に身を置いてまでもプロの夢を追いかけられる選手もそうそう多くはないので一人でも多くの選手がプロ野球選手になって夢を叶えてほしいと思います。

あまり知られていないかもしれませが、社会人野球へと進む選手は大卒のだけではありません。実は高校野球を卒業してすぐに社会人野球に挑戦するという選手もいるのです。

もちろんそれは社会人野球側のオファーがあってこそ成り立つことなのですが、社会人野球に高校から進むメリットも多くあります。まず一つは3年目にドラフト指名が解禁されるということ。大学に進学する場合は最短で4年の時間がかかりますが社会人に進んだ場合は最短で3年目に指名を受けることができるのですぐにプロに行きたいと考えている選手にとってはメリットとなるでしょう。

二つ目は給料が出ること。大学野球の場合は学生であるため普通の大学生と同じく学費がかかります。しかし社会人は同じ野球をやっていてもしっかりと給料が支払われます。もちろん高卒と大卒では給料に差が出てしまいますが,そのままプロに入れるのであれば大きな差が生まれます。

三つ目は社会人を経験してからプロに行くことができるということです。高卒・大卒からプロに行く場合いきなり社会に出されることになりますが、普通の大学生が社会人になるのとは違いプロ野球選手という特殊な職業であるためわからないことがたくさんある中で野球も頑張らなければいけません。

しかし、高卒から3年間社会人を経験していればそうした心配もなくプロ野球選手として活動をすることができるでしょう。高校から社会人野球に入り活躍している選手の代表例はオリックスの山岡選手です。

広島の瀬戸内高校から東京ガスに進み3年目にオリックスから指名を受け現在も活躍をしています。

大学野球・社会人野球・独立リーグなどはある程度年齢が上がってくるため高校生とは違い伸び代よりも実績や現状の力にフォーカスして指名をします。つまり即戦力でなければ指名してくれないのです。

そのため指名された高校生よりも指名漏れした大学・社会人の選手の方がレベルが高いということは十分にあり得ます。

このように考えるとどのタイミングでプロに進むべきかは非常に難しくなってきます。一つ言えることはプロで活躍する自信があるのであれば行ける時にプロ野球選手になっておいた方がいいということです。後になって「あの時志望届けを出しておけば」というような後悔をしないためにもプロで活躍できる自信をつけるために練習をしていきましょう。

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