投手球速UPのためのチェックポイント4
こんにちは
BASEBALL FUTUREの斗光(トコウ)です。
「体が突っ込んでる」「上半身を突っ込ませるな」と言われたことはありませんか?指導現場ではこのような言葉がよく使われています。
ではなぜ上半身が突っ込んではいけないのでしょうか?
今回のブログでは、上半身が突っ込むと何故いけないのか?また上半身が突っ込まないことでなぜ球速アップに繋がるのかについて説明していきたいと思います。
股関節の屈曲が出来ない
まず下の写真①を見て頂きたいと思います。
上半身が下半身よりも前に突っ込んでいます。ここで注目して欲しいのは股関節の屈曲ができていないことです。股関節の屈曲に関して投手球速アップ法Part2でも触れましたが、大きな筋肉を稼働させることができるのが股関節です。つまり股関節の屈曲が出来ればそれだけエネルギーを貯めることが出来ますが、上半身が突っ込むことにより股関節の屈曲が出来なくり結果的に球速が下がってしまいます。ダルビッシュ有選手、大谷翔平選手など速いボールを投げる投手の共通点は股関節を屈曲させエネルギーを蓄える動作が上手いことです。
あなたも同じように速い球が投げたいのであれば写真②のように下半身主導で股関節を屈曲させる動作を作っておくことが重要です。上体が突っ込むと股関節の屈曲が出来ないということを覚えておいて下さい。
上半身と下半身の割れが作れない
次に写真③を見てください。
本来良いフォームは前足が着地した際に胸がサードベース方向(左投手ならファーストベース方向)に残っている状態を作り、上半身と下半身の捻転差を上手く作り出し、そこから伸張反射を利用することで速いボールを投げることが出来ます。この状態をよく「割れを作る」と表現します。しかしながら写真③は胸がサードベース方向に向かず、キャッチャー方向に向いてしまっています。これでは捻転差が生まれず上体の力だけでボールを投げなければなりません。そのためせっかく下半身で作り出した力を上半身に伝えることが出来ません。上半身と下半身の捻転差・割れを作るには上体を突っ込ませず、下半身主導で並進運動を行うことがポイントです。上半身は力まずに下半身が並進運動をおこなった結果胸が張れて自然と捻転差や割れが出来上がるので上手く捻転差が作れない選手は無理に作ろうとするのではなく勝手に作られるものというイメージを持っておきましょう。
加速距離が取れない
再び写真③を見て頂きたいと思います。上半身がキャッチャー方向に突っ込んでいるため左足が着地した際、ボールを持っている右手が前方にあるのが分かります。その為、腕を加速させる距離が得られずにボールを放らなければなりません。これも球速を下げる要因になります。
写真④を見ると左足が着地した際に、ボールを持っている右手がプレート方向に残っているのが分かります。こうすると十分な加速距離を得られる為、球速アップに繋がります。
まとめ
上体が突っ込むことによるデメリットを3点ご紹介しました。
上体が突っ込まなければ全て解決する訳ではないですが、直すことによって得られるメリットも多いですし、何より怪我のリスクが軽減されます。上体が突っ込まないよう下半身主導で体を動かしていくことをお勧めします。
PS.上半身を突っ込ませた状態からキャッチャー方向に倒れていき、そこから上手く軸足の股関節に力を貯めることができる選手もいますのでチェックをする場合はむやみに突っ込みを直せといってしまうとパフォーマンスが下がるケースもあるので注意しましょう。