野球で重要な「声」とは?走者に対する声かけ
こんにちは
BASEBALL FUTUREの
依田徹平です。
前回は野球で重要な声かけについて、特に守備時に必要な声についてお伝えをしていきました。
今回は走者に対する声かけの参考となるランナーの判断について伝えていきます。
大前提は?
まず大前提として守備側はバントや、エンドラン、スチールなど相手のありそうなサインを声に出して警戒を強めますが攻撃側はサインが相手にバレないためにもサインに関する声かけはしません。では何に対して声かけをするのかというと打球に対する走者の判断と牽制やピックオフなどについてです。
打球は攻撃側であってもどこに飛ぶかを完全に予測することは不可能です。しかし、ゴロの場合どうするのか?フライの場合は?1塁方向に飛んだ場合は?などある程度起こりうるケースに対する選択を投球前に頭に入れておくことでいざ打球が飛んだ時に正確な判断ができるようになります。
この判断次第でアウトになるかチャンスになるかが大きく分かれるので当たり前のことであっても必ず事前に確認をするようにしましょう。
牽制(投手からも捕手からも)
1塁ランナーで相手が左ピッチャーの場合は特に警戒、またキャッチャーからの牽制もあるので第2リード後の帰塁は素早くおこなう、また2塁にいる時はサインプレーでの速い牽制があり得るので投手がセットに入っていなくても警戒すること
アウトカウントの確認
分かっていると思っていても、アウトカウントの確認は必ずおこなうこと、2アウトの場合はインパクトゴーになるので特に確認をすること
打球判断の確認
無死or1死の場合フライはタッチアップかハーフウェイ、ゴロの場合は進塁義務があるランナー1塁や1,2塁、満塁の時などはゴロゴー、進塁義務がないランナー2塁、3塁、2,3塁さらに1,3塁の3塁ランナーの時は細かい判断が求めらるので確認をする、
・無死or1死ランナー2塁のゴロ判断
サードゴロ、ショートゴロ、ピッチャーゴロは基本的にはバックで外野に抜けてからスタート、ランナーから見て左方向に飛んだゴロはスタート
・無死or1死ランナー3塁のゴロ判断
相手の守備体系を見て前進守備であれば抜けてからスタート、ショートやセカンドが中間守備の場合はショートゴロ、セカンドゴロはスタートでそれ以外はバック
・ランナー2,3塁のゴロ判断
無死の場合相手が前進守備をしているケースでも第2リードを大きく取りギャンブルでゴロゴーをすることは戦術としてはよくある、この指示がベンチから出た場合2塁ランナーも3塁ランナーの動きを確認しつつスタートを切る、ギャンブルスタートのメリットはスタートをせずただ内野ゴロで終わるよりも慣れないバックホームやタッチプレー、さらには挟殺プレーにもなる可能性があるので守備側のミスが出やすく仮に3塁ランナーがアウトになったとしても上手く3塁,本塁間で挟まれれば1死2,3塁もしくは最低でも1死1,3塁の状況を作ることができること。ただしピッチャーゴロやサードゴロ、ファーストゴロはアウトの可能性が高いので打球が弱い時やバウンドが高い時以外は自重することも必要
1死のケースでも同様の理由でスタートを切ることはあるが基本的には相手の守備体系と打球の強さやバウンドをみて良いスタートが切れたらホームへ突っ込みます。
・ランナー1,3塁のゴロ判断
無死の場合も1死の場合も3塁ランナーは基本的にはゴロが飛んだらスタートを切る、特に1死の場合はピッチャーゴロでもダブルプレーをされてしまえばチェンジになってしまうので迷わずホームへスタートを切り、もし相手守備が判断ミスをしてホームを刺しにきてくれれば上手く挟まれて2,3塁の状況を作る、無死の場合は相手が一点を捨ててダブルプレーを取りにくることもあるので守備体系をよく確認してホーム狙いなのか?ダブルプレー狙いなのかを見極めよう。
・ライナーバック
無死or1死の場合良くチャンスを潰してしまうのがライナーで飛び出してダブルプレーを取られてしまうこと、特に3塁ランナーの時はライナー性の打球は外野に抜けてからスタートを切れば悠々ホームに帰れるので落ち着いて打球を見てからスタートを切るように声をかける。
・ピックオフ
ランナー1塁や2塁にいるケースでもピックオフでキャッチャーから素早い牽制がくることがあるので警戒をさせておく、特にバントのケースではバント空振りや見逃しで飛び出すケースが多いので何回も声をかけて注意させる。大事なことは転がってからスタートを切るということと、第2リードは大きくした分、帰塁は素早く行うこと。
・2死フルカウントのケース
2アウトでカウント3ボール2ストライクの時、進塁義務があるランナーはボールの場合フォアボールで進塁、ストライクの場合は三振でチェンジ、フライの場合も取られればチェンジとなるのでサインがなくても投球動作と同時にスタートを切る必要がある。スタートを切ることで1塁ランナーが長打でホームに生還できたり、2塁でのフォースプレーを防ぐことができるのでランナーが分かっていると思ってもコーチャーもしくはベンチからも声をかけてあげること。スタートを見越して牽制がくることもあるのでスタートはそこまで速くする必要はなく、投球動作に入ったことをしっかり確認してからのスタートで良い。
進塁義務がないケース、例えば2死2塁や2死3塁のケースはフォアボールの場合走塁死してしまうのでスタートは切らない
・パスボールの判断
相手バッテリーの暴投や捕逸があった場合、進塁するにはスタートのタイミングが重要なので特に3塁ランナーの時はいつでもスタートが切れるようにしておくこと、ただし球場が狭い場合はバックネットが浅くホームでアウトになることもあるのでどちらの方向へボールが逸れたらスタートを切れるのかを考えておくこと
スイングゴー
2アウトの場合はどのランナーも打球が飛べばスタートを切る必要があります。その為バッターが2ストライクに追い込まれた場合、バッターがスイングに入ったと判断したらスタートを切ります。仮に空振りをしたとしても三振でチェンジになるので打球が前に飛んだ時に備えて少しでも良いスタートを切りましょう。3塁ランナーの場合は満塁の振り逃げのケース以外はスイングゴーではなくインパクトゴーとなる。
まとめ
このほかにも様々なケースが想定できるが、基本的には打球判断やアウトカウント、ライナーバック、タッチアップ、ゴロゴーなどどんなに当たり前のことであってもランナーに声をかけてあげることが判断ミスを減らすことにつながるのでただ盛り上げる声を出すだけではなくこうした声をランナーにかけてあげましょう。