ピッチャー回転数と回転軸
こんにちは
BASEBALL FUTURE
(ベースボールフューチャー)です。
最近では投手の投げるボールを数字で表す方法は球速だけではなく「回転数」という言葉がよく聞かれるようになってきました。この回転数とは投手が投げたボールが1分間あたりどれくらい回転するかということを表しています。単純に言えばこの回転数が多ければ多いほどボールに揚力が働くため落ちづらく「伸びのあるボール」ということになります。
ラプソードによる測定↓
プロ野球選手の場合、平均で約2200回転(1分間)ほどといわれています。さらにキレが良いと言われたりストレートで空振りをたくさん取れるような選手は2400~2700回転くらいかそれ以上のボールを投げているそうです。面白いことはこの回転数は球速とはある程度の相関性があるものの絶対ではないということです。
例えば日本人最速の165kmを投げた大谷選手のストレートの回転数は2200回転(メジャー1年目時点)と言われておりNPBの平均と大差ないのです。
対して先日引退をした上原選手は2400回転さらに阪神の藤川選手も全盛期は2700回転と球速は大谷選手には劣るものの回転数では大きく上回っているという選手は数多くいるのです。
大谷選手はストレートで空振りを取ることが少ないと言われていますが上原選手も藤川選手も真っ直ぐで空振りを取っているイメージが強いと思います。もちろん球速が速いほど打たれづらいとするデータもありますが、ストレートの場合球速よりも回転数が多い方が空振りを取りやすいと考えることができそうです。(球速回転数だけではなくいかに錯覚を起こすことができるかということも実は重要)
またさらに深い話をすると回転数だけではなく「回転軸」という考え方も良いストレートを投げる上では重要になってきます。回転軸とはボールの回転のが軸どのような角度で回転しているかということで水平面に対しての角度で表されます。
上記画面はラプソードの測定画面です。回転軸はSPIN DIRECTIONの部分にデジタル時計の数値で表されています。こちらの画面では00:36となっているのでアナログ時計が12時36分の時に短針が指している方向に回転をしているということです。
水平面に対して垂直にバックスピンをしていると重力に対してまっすぐ揚力が働くため落ちづらいストレートとなりますが、逆に回転軸が垂直から傾いてしまうとシュート回転もしくは反対方向に傾けばスライダー回転になってしまうのでピッチャーにとってはあまり良いとされてはいません。そのためせっかく球速も速く回転数も良いのに回転軸がシュート気味だと思ったより球が伸びずにバットに当てられてしまう可能が出てくるのです。
ですがほとんどの場合右ピッチャーの場合は右に左ピッチャーの場合は左に回転軸は傾いているものです。その傾きを極力少なくすることができれば落ちづらい伸びのあるストレートを投げることに繋がっていきます。そのポイントとして考えたいことはリリース時の手首の角度です。
画像左のように手首の向きが傾いてしまうと回転軸の傾きもずれてしまう可能が高いですが右のように手首の向きが水平面に対して垂直になっていると回転軸もずれが出づらくなっていきます。
もちろんそれぞれのピッチャーに特徴があるので一概に回転軸や回転数がよければいいということはありません。上の画像もどちらがいいというわけではありません。
また無理に回転軸を腕や手首だけでコントロールしようとしてしまったり無理やり垂直に腕を出そうとしてしまうとフォーム全体のバランスが崩れてしまったり下半身との連動がうまくいかなくなってしまったりする可能性があるので危険です。大切なことはあくまでも数字として自分のボールを知っておき改善のためのヒントとすることだと思います。
・ストレートで空振りが取れないという選手は回転数が足りないのかもしれない→回転数を上げるためには?
・回転軸がずれてシュート回転しているかもしれない→シュート回転を直すには?
・回転数が少ないからゴロを打たせるピッチングをしてみよう
というように考えて練習してみると良いかもしれません。
ピッチング&バッティング版のラプソード測定を含む野球能力出張測定↓
2022年9月ブログ↓