ラプソードを使わずにボールの回転数、回転軸を推測する方法とは?
こんにちは
BASEBALL FUTUREの依田徹平です。
以前ピッチャーのボールの回転数や回転軸についてラプソードの計測数値を元に解説をさせていただきました。→以前のブログ
実はこちらのブログは3年ほど前に書いた記事なのですが、最近になってラプソードの認知度も急激に上がり、プロ野球だけではなく都市対抗野球や甲子園でもボールの回転数という言葉が当たり前になってきたことでアクセス数が伸びています。
ボールの回転数や回転軸に興味が出てきたことで実際に自分のボールがどれくらい回転しているのか?どんな軸で回転をしているのかが知りたくなると思います。しかし今最も信頼されている計測器であるラプソードは高価のものであるためなかなか計測のチャンスがないと嘆いていませんか?
そんなあなたにはぜひBASEBALL FUTUREのチーム出張計測サービスをご利用ください。
こちらへメールを→contactform@baseball-future.com
ラプソードを使わずにある程度球質を推測する
ラプソードを買う予定もなく1人で出張計測も依頼ができない環境の場合でもある程度あなたの球質を推測することができます。その方法を行うにはまず前提としてボールの変化量という概念を押さえておく必要があります。
ボールの変化量とはボールがホームベース上を通過する時にボールが回転しなかった場合と回転した場合でどれほど通過位置に差ができるかを表しているものです。つまりボールに回転を加えたことでどれくらいボールが動いたかを具体的な数字で示しているものです。
上図の右側を見ると少し古いデータですが、それぞれのピッチャーの縦の変化量と横の変化量が表されています。縦軸と横軸どちらも0の場所がボールに回転が加わっていない場合でそこから右上にボールが変化していることがわかります。これはここに記されている数字が右ピッチャーのストレートだからです。
分かりやすい例で言うと甲子園で活躍をしていた頃の吉田輝星投手の縦の変化量が53cmに対して高校生の縦の変化量の平均は32cmとなっています。これは同じ角度でボールを投げた場合吉田投手が平均的な高校生のストレートよりも30cm近く高い位置をボールが通過することになります。つまり打者からすれば「普通よりも落ちてこない」ので「ホップするようにみえるストレート」と錯覚を起こすのです。この場合平均よりも高いところを通過するので打者は空振りやフライアウトが多くなっていくでしょう。
逆に高校生の平均である32cmよりも縦の変化が小さい場合打者はどのような結果が多くなるでしょうか?例えばサイドスローの場合回転軸が地面に対して垂直ではなく並行に近づくので縦の変化よりも横の変化量が大きくなることが予想されます。こうなると球速にもよりますが空振りよりもゴロが増えると予想されます。
打者の結果を元に変化量を推測する
縦の変化量や横の変化量の概念が理解できていると、スコアブックを見返してみるだけであなたの回転数や回転軸をある程度推測することができます。
空振りやフライアウトが多い場合
→回転数が多いor回転軸が地面に対して垂直に近いもしくはそのどちらも満たしている
球速の割に空振りが取れずゴロアウトが多い
→回転数が少ないor回転軸が横向きでシュート回転もしくはそのどちらも
もちろん細かい数字が出ないので確実なことはいえませんし、回転数や回転軸が悪くても球速が速ければある程度空振りは奪えるので絶対ではありませんが自分のボールの球質をある程度理解することにつながるのでぜひ試してみてください。
ラプソードのメリット
ここまでラプソードが使えない場合の簡易的な球質チェック方法をお伝えしましたがやはりこれからの時代の投手のレベルアップにはラプソードが欠かせません。
ラプソードを使うことで明確な数字が出るだけではなく継続して使用することで明確にボールの良し悪しが分かります。例えばボールの握りを変えた時に打者の反応やキャッチャーの反応だけでは微妙な違いは判断しかねます。しかしラプソードを使えば握りを変えた場合、平均球速や平均回転数に明らかな違いが出てきます。その変化が良い方向に行っていればそのままその握りを続ければ良いのです。
ラプソードがない場合、バッターが空振りしたから良いボール?キャッチャーが良い音を鳴らしたからいいボール?となってしまう可能性があります。これはバッターやキャッチャーのレベルによって変わる可能性があるので注意をしましょう。