2019ドラフト指名選手のフォームの気になるポイント〜野手編①〜

こんにちは
BASEBALL FUTURE
(ベースボールフューチャー)です。

前回は今年のドラフトで指名された注目の投手の気になるフォームについて、解説をしていきました。
今回は打者篇をお伝えしていきます。

まずは中日1位指名の石川選手です。
石川選手は投手としても、今年の選抜で優勝投手となりましたが、プロでの評価は打者としての評価であり、中日は内野手として石川選手を育てるつもりでしょう。
石川選手は、日本代表としてU18のワールドカップで4番を務め、木製バットへの対応も問題なく、大活躍をしました。
その要因としてあげられるのは、上半身の使い方のうまさです。
非常に使い方が柔らかく、またバットがしっかりと内側から出るので、インコースもうまくさばくことができており、高打率と長打を残すことができていました。
気になる点は下半身です。
骨盤の前傾はある程度できていますが、やや甘いところもあり、インコースにプロ野球選手のキレの良い直球を投げ込まれると初めのうちは苦戦しそうです。

また同様に低めに対しても、上半身主導で動き出してしまうためバットの出が早く、鋭いボール球の変化球に対してバットが止まらない可能性があります。
さらにタイミングの取り方がやや悪く、高校生のボールであれば、持ち前のスイングの力で対応することができていますが、プロの球となると、多彩な変化球にタイミングが合わず苦戦しそうです。
ただし高校生としては現段階で、過去の選手と比べても高いレベルにあるので、近い将来主軸を打つ選手となることでしょう。
昨年のドラフト1位根尾選手との3、4番が実現すると思うととても楽しみですね。

続いて阪神に指名された井上選手。
井上選手は履正社の4番打者として今年の夏全国制覇を成し遂げました。
甲子園の決勝では星稜高校の奥川投手から見事な逆転ホームランを放っており、勝負強さも兼ね備えた期待の長距離砲です。
井上選手については以前も少し触れましたが、フォームとしては下半身の使い方や骨盤の使い方にチェックポイントがあります。


プロのトップ選手と比べて骨盤の前傾が不十分であり、インコースに苦戦しそうです。
腕の長さはあるのでおそらく投手からすればアウトコースは注意が必要ですが、インコースを厳しく攻めて、ファールを打たせてアウトコースに逃げていく変化球を投げていれば、おそらく抑えられてしまうでしょう。
しかし長身で体格も良く動きも良いので、時間をかけてフォームを磨き上げていくことができれば十分に期待が持てる選手だと思います。

続いて広島2位指名の宇草選手です。
宇草選手は法政大学の1番バッターとして活躍する俊足と長打力を兼ね備えた左バッターです。
日本代表としても一番バッターとして好成績を残しました。
俊足でアベレージが残せるだけではなくホームランを打つ力を持っているのがとても魅力的なバッターです。
それを可能にしているのは細身ながらも、体の芯の力が強いことと左手のリストの返しがとても強いことです。
こうした足の速さや体の強さやリストの強さはなかなか教えることは難しく、天性のものでもあるので、広島が高い順位で指名したことにも頷けます。
フォーム的に見るとすり足気味のステップから、ボールをギリギリまで引きつけて打つことができるのが特徴的です。
(それを可能にしているのがリストの強さです)
ただ気になるのはフォームを始動する時に、一旦前足を後ろ足の方に引いてきて、そこから一気に踏み出していく点です。

宇草選手は下級生のうちはタイミングなどに苦しみ、今のフォームに変えたことで成功をしたそうですが、通常であればこの打ち方をすると体が突っ込みやすくなり、また軸足の股関節に体重が乗っている時間が短くなるため、タイミングを取ることが難しくなってしまいます。
プロ野球のトップレベルの選手を見ると、やはり打てる選手ほど軸足の股関節に体重が乗っている時間が長く、ここでストレートや変化球へのタイミングを図っています。
また骨盤の前傾がやや甘く、タイミングが合わないときは一塁側に体が倒れてしまうことも気になります。
しかしとてもボディバランスに優れているようで、倒れた体勢からも逆方向に器用にヒットを打てています。プロの左投手のスライダーなどで攻められた時に上手く対応できるかがポイントになりそうです。
フォームに特徴はありますが、独特なフォームのため周囲に批判されつつも大活躍をする選手もたくさんいるので、是非とも独自のスタイルを貫いて欲しいと思います。

次回は同じく法政大学の福田選手についてです。

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