些細な動作の変化も見過ごせない
こんにちは
BASEBALL FUTURE
(ベースボールフューチャー)です。
先日ある現役プロ野球選手から動作解析の依頼がありました。
依頼内容は今シーズンのフォームと昨シーズンのフォームに違いがないか?
依頼の理由は昨シーズンの成績に比べて今シーズン序盤なかなか結果が付いてこなかったからです。
依頼を受け、昨シーズンの好調時のピッチングと今シーズンのピッチングとを比較し、解析を行ないまた。
結果からいうと昨シーズンと今シーズンではわずかではありますが、フォームに変化が見られました。
こうした比較をするにあたっては一定量の材料が必要です。プロ野球選手といえど、同じ球種同じコースに
ボールを投げ込んでも毎回毎回全く同じフォームになるとは限りません。
そのためだいたい同じ条件で投げている動画を集めて比較をする必要があるのです。
ワインドアップの時
セットの時
クイックの時
球種
コース
左バッター
右バッター
などなど
様々なパターンで比較を行なっていくと、傾向が見えてきます。
その傾向をもとに仮説を建てて、結果が付いてこない要因を分析していきました。
もちろんこれが原因だと断言できるものがあるほどピッチングは単純ではなく、複雑な条件が重なり合って
結果につながっていきます。
今回依頼を受け、分析をした結果浮かび上がってきたポイントをいくつか伝えると、やはり自分では気がつきにくい点があったようで、とても驚かれました。その選手はその後、好投が続いているようです。
伝えたポイントがきっかけとなったかはわかりませんが、少しでも貢献できていたら幸いです。
プロ野球選手の環境といえど、自分のフォームを全てにわたって分析することは難しいようで、自分の感覚に頼ることも多く、改めて動作解析の重要性を認識させられました。
一軍の選手ともなると、監督やコーチもフォームに手を入れることにためらいがあり、フォームの変化に気づく機会を失ってしまうことがあるのではないでしょうか?
こうしたことを考えると、一度作り上げたフォームについては、些細な動作の変化であっても簡単に見逃してはいけません。無意識の間に少し動作が変わるということは必ずそこに何か原因があり結果につながるはずです。そして変化に気がつくことができるのは本人ではなく、周りの人、ということもあることでしょう。
結果が出ているときでも、何か違和感がある、いつもと違うと感じたら、それは不調へと向かうサインかもしれません。今すぐフォームを変える必要はありませんが、気になった点はタイミングを見て本人に伝えて
あげると良いでしょう。
PS変化を伝えるタイミングはとても難しいものです。
選手が自分から助言を求めるまで、こちらからは口を出さないということも大切なので、そうした点も見極めていただくと更に良いと思います。