守備率と守備範囲

こんにちはBASEBALL FUTUREの依田徹平です。

先日広島カープの菊池選手が二塁手として開幕から434守備機会連続無失策のプロ野球記録を達成しました。ノーエラーということはアウトにできる可能性がある打球などを全てアウトにしたということなのでそれだけでとても素晴らしいことといえます。

普通にノックをしていても400回連続でミスをしないということはそう簡単にできることではないのでそれをプロ野球の試合の実戦でできてしまうことはまさに人間離れした技術と言えるでしょう。

しかしこのノーエラーに注目がいきがちですが、深く野球を知る上ではもっと知っておかなければいけないことがあります。それは補殺数です。

補殺とは簡単にいうとアウトを取る過程でそのアシストとなる働きをすることですが例えば二ゴロを捌いて一塁に送球しアウトとなれば二塁手に補殺が1記録されます。(1塁手には刺殺が記録される)

守備

この補殺数は1試合だけでみれば打球が飛んでくる飛んでこないという運もあるので一概には語れませんがプロ野球のように何試合も積み重なってくるとデータに意味が出てきます。

例えば同じ内野手であっても足の速さや打球反応の良さ、またはポジショニングによって守備範囲が大きく変わってきます。守備範囲が広いということはそれだけ多くの打球に追いつきアウトにする可能性が高くなるので補殺の機会が増えるということに繋がります。

つまり言い換えれば補殺数が多いほど守備範囲が広いとも言えるのです。しかしこれは諸刃の剣でもあります。守備範囲が広い選手は他の人が追いつけないような打球にも追いついてしまうためその分ギリギリの態勢で捕球をしてすぐに送球をしなければいけません。

その結果ギリギリ追いついたけど捕球ミスをしたり送球が逸れてエラーが記録されてしまうのです。こうして考えると守備範囲が狭い選手はヒット性の打球にはそもそも追いつけないのでエラーがつきませんが守備範囲が広い選手はヒット性の打球でも打球に追いついてしまうためエラーの確率が高くなってしまうのです。

そうなってくると守備範囲が広い選手はアウトにする数は圧倒的に多いはずなのに守備範囲が狭い選手の方がエラーの数が少ないので数字上は良い選手に見えてしまいます。

現在ではセイバーメトリクスにより守備範囲を示す指数が現れたためそうした部分もより分かりやすくなってきました。

さて話を菊池選手に戻します。
菊池選手は現在ノーエラーということですが補殺数はどうなっているでしょうか?現在の補殺数は記録達成時点で434ということでセ・リーグでダントツトップの数字を誇っています。それどころか歴代の二塁手の補殺数においても1,2,3位を菊池選手が独占しておりいかに菊池選手の守備範囲が広いかを表しています。

そして何よりすごいのがその広大な守備範囲においてもエラーをしていないという事実です。平凡な打球であっても難しい打球であっても同じように全くミスをしないというのは常識では考えられないような集中力と技術といえるでしょう。

同じようなことは簡単にはできませんが、既に守備範囲が広いという選手はギリギリで追いついた打球をどのようにアウトにするのかを練習し守備範囲が狭くミスが少ないという選手は守備範囲を広げる努力をして補殺数を増やすことを目指しましょう。

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