都立小山台高校〜一人一人が自主性を持つこと〜
こんにちは
BASEBALL FUTURE
(ベースボールフューチャー)です。
昨日、高校野球の地方大会が終了し、各都道府県の代表校が決定しました。
前評判通り勝ち上がった高校もあれば、「番狂わせ」を起こし、甲子園に進出してくるチームもあることでしょう。
惜しくも敗退してしまった高校も、全てを出し尽くして、悔いなく負けたところもあれば、今までやってきた練習の成果を十分には発揮できなかったという高校もあるのではないでしょうか?
個人的には東東京大会の決勝まで勝ち進み、惜しくも二松学舎に破れた都立小山台高校に注目をしていました。都立高校ということで勝ち上がっていけば、注目度が必然的に高くはなるのですが、大会が始まる以前から小山台高校は注目を集めていました。
それは春の大会でベスト8まで勝ち進み、シード校としてこの夏に臨んでいたからです。春、夏と2大会続けてここまで勝ち上がるには、確かな実力が必要です。調子や勢いだけでは、ここまで勝ち上がることはできないでしょう。
ましてや小山台高校は私立の強豪校とは違い、平日の練習が1時間30分程度しかなく、グラウンドも他の部活と兼用で使っているため、専用グラウンドではないのです。
そうした環境にあっても、勝ち上がることができる強さの秘密はどこにあるのかと考えた時、ある出来事を思い出しました。
それは春先の対外試合が解禁された頃でした。
ちょうどその頃ご縁があり、都立新宿高校さんと都立小山台高校さんの練習試合を
見させていただきました。
その日は良い天気だったのですが、前日に雨が降っていたため、グラウンドコンディションが悪く練習試合の開始が遅れていました。
グラウンドを見ると、それぞれの部員が早く試合をするために、グラウンド整備を行なっていました。グラウンドにはあちこちに水たまりができていたため、
試合開始にはとても時間がかかりそうだと感じました。
しばらくその様子を見ていると、小山台の選手たちの行動力や自主性に驚かされました。それは一人一人が自ら考え、早くグラウンドコンディションを整えて試合をするために指示を出し合っていたからです。
砂が足りていないところがあれば、そこに砂を持っていくように指示を出し、人数が多いところがあれば、少ないところに人手を回すように指示を出すといった具合でした。
当たり前に思うかもしれませんが、これは高校生にはなかなかできることではありません。
普通であれば監督やコーチが指示を出し、それをキャプテンが選手に伝えるといったところでしょう。何も言わなければ指示が出るのをひたすら待っているだけかもしれません。
ですが小山台の選手は、もちろん監督からの指示も出ていますが、言われたこと以外にも
「もっとこうしたほうがいい」
「このほうが効率がいい」
ということをそれぞれが考え、実践していきます。
一番印象に残ったのは、良い意味で誰がキャプテンかわからなかったことです。
それはキャプテン1人に頼るのではなく、選手それぞれが自主的に
「もっと良くなるためには」ということを常に考えており、お互いに指示を出し合える雰囲気であったからです。
もちろん個々の能力も高いですが、推薦で選手をとっている高校と比べれば技術的には劣るところもあるかもしれません。しかし、こうした目には見えないチームの力というのが積み重なると、短期決戦ではこうも強い戦い方ができるのかと思い知らされました。
もしあなたのチームも、チームとして一年後の夏に勝ち上がりたいと思うのであれば、ぜひこうした選手それぞれの自主性を高めていってはいかがでしょうか?