フライボール革命&バレルゾーンのメリットとデメリットとは?

前回フライボール革命とバレルゾーンについて大谷選手と松井選手を例に挙げてメ理論についてお伝えしていきました。
前回ブログはこちら↓

フライボール革命&バレルゾーンとは?〜ホームランバッターになるための知識〜

個人的にはフライボール革命はメリットも多いと思いますが、デメリットについてもお伝えしておきます。

フライボール革命のデメリット

ここまでは比較的フライボール革命のメリットを伝えてきましたが、バレルゾーンを狙ったフライボール革命はからならずしもメリットばかりではありません。それは打球角度を出すために下から上にバットを出し「強振」して長打を狙うことで空振り率が増えてしまったことです。バレルゾーンを狙ったスイングはバットにしっかりと当たり打球速度さえ出せればヒットや本塁打の確率は高くなりますが、空振りが増えれば当然三振が増え打率は下がっていきます。

実際データで見てみると2008年から年々本塁打数が増加していことに対して三振数も急増してきています。そこで改めて大谷選手と松井選手の成績を確認してみましょう。(MLB挑戦4年目まで)

前提として時代が違うため、相手投手や守備力・守備シフトの違いがありますが、こうしてみると松井選手の打率が大谷選手よりも高いのに対し、大谷選手の方が松井選手よりも本塁打数やOPSが高いことが分かります。特に両者が最もホームランを打った年で成績を比較してみると分かりやすくなります。.298と高い打率を残し31本のホームランを放った松井選手に対して大谷選手の打率は.257とかなり低いです。しかし大谷選手はホームランを46本放っているので結果的に大谷選手の方が高いOPSとなり選手としての評価が高くなるのです。(大谷選手の投手としての数値は加味されていません)

では先ほど説明したバレルゾーンを意識することで本当に三振数が増えているのかも比較してみましょう。松井選手が2004年に584打数で103個の三振をしたのに対し大谷選手は2021年537打数で189個の三振をしています。50打数ほど大谷選手の方が打数が少ないというにも関わらず大谷選手の方が86個も三振数が多くなっています。また松井選手自身も最もホームランを打った2004年が最も三振数が多くなっていますが、OPSはこの年が一番高くなっています。

つまりOPSを高めるためには本塁打など長打を狙うことが大切ですが、その結果三振数は増えてしまうということが言えそうです。事実近年メジャーリーグでは年間200三振をしてしまうという選手も珍しくないようです。仮に松井選手がバレルゾーンを意識したスイングを取り入れた場合、打率は下がり、三振も増えるが本塁打や長打が増えることでOPSは高くなることが予想されます。(もちろん全くスイングが合わずに結果が出ないことも考えられます)

バレルゾーン≠縦振り

ここで再認識して欲しいことはバレルゾーン=縦振りではないということです。
比較例として出させていただいた松井選手と大谷選手は
松井選手が横振りのレベルスイングで大谷選手が縦振りのアッパースイングとなっているので「角度を出す」という点では明らかに縦振りのアッパースイングの方が優位となっています。

しかし、忘れてはならないのがバレルゾーンは「打球角度」「打球速度」の2つが必要だという点です。

つまりバレルゾーンを狙うためには「スイング軌道により打球角度を上げる」以外にも「打球速度を出すためにある程度フルスイングをする」必要があるということです。確かに松井選手と大谷選手のスイングを比べてみるとブレずに安定したスイングをしているイメージのある松井選手に対して大谷選手の方が豪快なスイングと空振りをしているイメージがあります。

この「打球速度を出すためのフルスイング」がミート率を下げ三振数や打率を下げる原因だと推測することができます。(OPSの観点からそうしたミート率が下がるデメリットを差し引いても長打のためにフルスイングをした方が良いという流れにある)

もう一つバレルゾーン≠縦振りではないという根拠があります。それは日本人歴代NO.1のバッターであるイチロー選手のスイングです。イチロー選手はMLBで3000安打を放ち3割を10度達成し、三振も少ない選手ですがホームランは比較的少ない選手で大谷選手とは対照的なバッターと言えます。

そのイチロー選手はコースや高さによって変幻自在にスイング軌道を変えてはいますが、皆さんもイメージがある通りルーティーンの素振りは下から上に振り上げるような縦振りになっています。

このベースとなる縦振りがあったからこそイチロー選手は厳しいコースをファールにさせず、どんなコース・高さのボールでもフェアグラウンドのヒットゾーンに落とすことができていたのだと思います。

イチロー選手の3000安打の分布図↓

こうしてみるといかにイチロー選手が広角に打ち分けていたかが分かりますね。

縦振りの軌道がなぜ横振りに比べてフェアゾーンに打球を飛ばしやすいのかというとそれは縦振りの方がバットの面を長くピッチャー方向に押し出しやすいからだと思います。テニスのストロークを想像してみると分かりやすいと思いますが、仮に横振りでラケットを振り回してしまうと右利きの場合はクロス側の左方向にボールが行きやすくなってしまい、タイミングが早かったり、こねてしまうと相手のコートにボールが返りません。

そこで基本的にラケットを下から上にスイングすることでコートの様々なコースへと返す確率を高めているのです。

イチロー選手はこの縦振りを上手く利用して様々なコース高さに対応して安打を量産していたわけですが、フリーバッティングではこの縦振りで角度をつけてさらにフルスイングをすることで打球をスタンドまで軽々運んでいました。

このことからバレルゾーン=縦振りではないということが理解できたかと思います。もし縦振りはホームランバッターのためのもので打率を残すタイプの選手には不要だと考えているのであれば認識を改める必要があるでしょう。

レベルスイングとのハイブリット

さてここでまで縦振りの話をしてきましたが、レベルスイングがダメというわけではありません、打率を高めるためにはやはりレベルスイングも技術としては持っておく必要があると思います。縦振りを意識したスイングをする時どうしても一度ヘッドを極端に落とすことから高めの速球に対してのミートが難しくなってしまいます。

この時、打率が残せる選手は瞬時にスイングを縦振りからレベルスイングに切り替えて対応することができます。代表的な例はオリックスの吉田正尚選手です。吉田選手はルーキーイヤーから数年は豪快なスイングをするイメージがありましたが、近年は首位打者も獲得していることから分かる通り本塁打数よりもハイアベレージが特徴の選手で三振数が少ないことでも有名です。

その吉田選手は比較的縦振りのイメージがありますが、高めはレベルスイングで対応をしています。

3:14秒ごろ

またこちらの動画をみると、打席に入る前にレベルスイングと縦振り両方を実践していることが分かります。

このようにレベルスイングと縦振りをハイブリットで行うことができると吉田選手のように高い打率を残すことができると思うのでどちらも身につけていただきたいスキルです。

バレルゾーンを狙い本塁打を増やしたいという選手もこのような意識を入れることで打率が残せるようになり三振も減っていくのでバレルゾーンを極めるのであればそこまで突き詰めていきたいところです。

 

次回は完結編となるフライボール革命やバレルゾーンとどう向き合っていくのかについてお伝えをしていきます。

完結編↓

フライボール革命やバレルゾーンとどう向き合って行くべきか?

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