変化球を打つには?
こんにちは
BASEBALLFUTUREの
依田徹平です。
小学生まではルール上、ストレートもしくはスローボールが投球の中心となりますが、中学生になると変化球が解禁されます。この変化球に苦しむ選手が多く、なかなか思うように打率を残せないという悩みを抱えてはいませんか?そんな選手へ変化球を打つポイントをお伝えします。
変化球を打つポイントは大きく3つ
1,リリースポイントに注目
2,軌道を読むor記憶する
3,タイミング
1リリースポイント
まずバッターは基本的にはストレートにタイミングを合わせその上で変化球にも対応をしていきます。例外的に状況やバッターのタイプによっては変化球を狙ってストレートに合わせるケースもありますがほとんどが真っ直ぐ待ちの変化球対応となります。
つまりピッチャーがリリースする瞬間からいかに早く「変化球」と見極められるかがとても重要となるのですが、トップレベルの投手はボールが速いのでボールを投げてから打者にボールが到達するまで0.4秒ほどしかかかりません。この0.4秒でストレートか変化球かを見極める必要があるのですが、0.4秒で見極めてから打とうとしてもバットを振る時間が無いので実際には0.1~0.2秒でボールを見極めてボールを捉える必要があるのです。
そのためただ単純にボールの軌道を追うのではなく、ある程度予測をしてバットを出していく必要があるのです。そこで重要になってくるのが投手のフォームやリリースの瞬間のボールの軌道やスピード感を捉えることです。
ピッチャーのフォームをよく観察していくと、ストレートと変化球では腕の振るスピードが違ったり、胸の開きが早かったり、リリースポイントが低かったりすることがほとんどです。もちろんその差がないピッチャーが良いピッチャーとなるのですが中学生ではそれも難しいでしょう。
またフォームだけではなくリリースの瞬間にボールが離れる場所に意識を集中するとボールがくる角度がわずかに上にずれていることが分かります。
このフォームの微妙な違いやリリースのボールの軌道を頭で理解するよりも早く反射的に感じ取り動き出すことができると実際に向かってくるボールの変化を見る前に変化球がくると判断することが可能です。
簡単にいうとストレートと変化球のフォームやリリースの「間違い探し」です。難しく感じるかもしれませんが、これは守備では当たり前にやっていることだと思います。バッターの振り出したフォームやインパクトの瞬間のボールの軌道やスピードを観察することで前後左右に飛ぶ打球にいち早くスタートし到達することが守備では求められます。(もちろんバッティングの場合は投球と比べると見極めの時間が長いですが)
この感覚を養うには打席で経験を積むことはもちろんですが、キャッチボールからリリースの瞬間に集中をし、瞬時に飛んでくる場所を予測して捕球をする練習をしていくことも重要だと思います。キャッチボールで変化球を投げてみると予測が難しくなるので面白いかもしれませんね。
ちなみにフォームを観察する時はピッチャー全体を見るのではなくボールが動いている辺りを大雑把に目で追い最後はリリースする辺りを「ざっくり」見るようにするのが良いです。ボールだけを見過ぎてしまうとフォームの微妙な変化を見落としてしまい逆に変化球を見極めづらくなるので注意しましょう。
野球を始めたばかりの選手はこの目の付け所が悪いことでミート力が低い傾向にあるようです。
2軌道を読むor記憶する
変化球かどうか見極めることができたら、その変化球がどれくらい曲がるのか?どのような方向に変化するのかを予測し、ある程度「勘」でバットを出していくことがミートする上で大切です。なぜならばバッターはインパクトの瞬間までボールは見ておらず、ボールの軌道を予測してバットを出しているからです。ストレートの場合はまだ予測がしやすいですが、変化球は球種によって変化量や変化する方向が変わるので予測が非常に難しくなります。これを守備で例えるのであれば、フライが飛んだ瞬間だけボールを見てそれ以降は目を切って落下点に走っていくようなものです。
こればっかりはボールの回転や軌道をよく観察し予測精度を高めていくしかありません。ある程度経験を積んでいけば似たような軌道のボールを脳が記憶してくれるので予測の精度は高まっていきミート率は高まってくるでしょう。仮にキレの良い変化球を投げる投手と対戦した場合は1打席目で打てなかったとしても、何球も粘りボールを見る回数を増やしボールの軌道を記憶することで2打席目以降予測精度が増していくことでしょう。
変化球を打つ実践練習が難しければ実際のピッチャーでなくてもバッティングマシーンを変化球に設定してとにかく軌道を覚えることを優先しましょう。
3タイミング
最後に大切になるのはタイミングを合わせることです。ストレートに対して変化球は原則として球速は遅くなるので緩急差が生まれます。変化球だと瞬時に判断できボールの軌道予測の精度が高くても奥行きとなる緩急差に対応ができないとタイミングが取れないのでバットにボールが当たりません。
このタイミングを合わせる上で大切な技術は前足を早めに地面に着地させ突っ込まないように粘ることです。変化球だと判断できた瞬間に上半身は突っ込まずに右バッターの場合は左足を先に地面に着きます。この状態ではまだ体重移動を行っていないので突っ込みを抑えながらボールを待ち変化球に合わせて体重移動をしていきます。ここで体重移動が我慢しきれないといわゆる泳いだスイングになってしまいます。
参考動画をご覧ください↓
動画をみるとテイクバックで「間」をとりボールを見極める時間をとっていることがわかると思います。このボールを見極める時間があるからこそ変化球だと瞬時に判断することができ、体重移動を我慢して左足をつくことができているのです。
もちろん好投手になればなるほどストレートと変化球の見極めは難しくなります。その理由としては球速が速くなることで単純に見極めの時間が短くなることが1つ。2つ目はストレートと変化球が全く同じフォームでくること、さらに3つ目は途中までストレートと全く同じ軌道で変化球が向かってくるからです。(ピッチトンネル)
こうなってくると、ある程度球種を絞ってボールを待つことや、泳がされても打つ技術が必要となりますが中学生の場合8割以上の変化球は見極め可能だと思いますので、まずは見極めが難しい変化球よりも見極めやすい甘い変化球を逃さないようにすることを考えましょう。
PS.バットで変化球を捉えることは難しいかもしれませんが、キャッチャーをする場合ある程度の球速であればノーサインでボールを投げてこられても上手く対応して捕球をすることはできると思います。(球速が速いピッチャーをノーサインで捕球するのは危険です、、、)その要因としては単純にバットよりもグラブの方が扱いやすいというのもあると思いますが、ボールを正面から、ボールの軌道と同じ高さでみれることも大きいと思います。そう考えると打席での構えや目線の置き方はとても重要になってくると思うのでミート率が上がらない選手は目線の置き方、顔の位置などをチェックしてみましょう。