勝利と将来
こんにちは
BASEBALL FUTURE
(ベースボールフューチャー)です。
12月も近づき、寒くなってきたことで、年内の試合もあと数試合となったチームも多いでしょう。この一年を振り返ってみて、あなたのチームはどれくらいの試合で、どれくらい勝つことができたでしょうか?
トーナメントによる公式戦では、勝つことで次の試合があるので、強いチームほど試合数が多くなっているかもしれません。練習試合でも公式戦でも、試合数が増えれば増えるほど、練習では見えない課題や経験を得ることができるので、課題を克服するごとに、チームは強くなっていくことでしょう。
しかし、目の前の勝利を追い求めすぎるが故に、大切なことを見落としているかもしれません。それは選手の将来です。特に小・中学生のピッチャーに多いのですが、試合に勝ちたいという思いから、毎試合同じ選手が登板し、全て投げ切ってしまうことさえ、決して例外的ではありません。
これがなぜ問題かというと、小・中学生や高校生において、投球過多は、その選手の選手寿命を縮めてしまったり、成長期においては、成長障害などを起こしかねないからです。背景の一つには、勝ちたい、選手たちを勝たせてあげたい、という指導者たちの思いがあることは否定できないと考えます。
指導をする以上、チームを勝たせたいと思うのは当然のことでしょう。また子供達に良い思いをさせてあげたいと思うのも当然だと思います。
しかし、今チームの中心で活躍している、その選手が高校野球や大学野球、その先まで野球を続ける志を抱いているとしたとき、成長期でこのようにボールを投げすぎてしまうと、未完成な筋骨格系は悲鳴をあげ、怪我したり、成長障害になってしてしまうのです。
厄介なことに、こうした怪我はすぐに現れるのでなく、その指導者の手を離れたのち、次のチームの指導者のもとで、発現してしまいます。その結果、小中学生時代は良かったが、高校生になると卒団生があまり活躍しないといった現象が起きてしまうのです。
その原因がもしかしたら小学生時代にあったのでは、とは思いもよらないのです。「今だけ良ければ」の考えは、意識的ではないにせよ、選手の将来をなくす危険があるものとして警戒しなければいけません。
もちろん高校野球で野球を終えるから、最後の大会だけは全て投げさせて欲しいと、強く願う選手を無理やりとめることは難しいかもしれません。今回、こうした特別なケースにまで、どうすべきかを語るつもりはありません。
選手の怪我や故障によって、将来の可能性を潰してしまわないためには、以下のことに注意が必要です。
一つ目は、日々の投球数に明確な上限を設けること
二つ目は、負担の少ないフォームで投げること
そして三つ目は、ストレッチやアップ、補強など怪我をしにくい体を作るよう心掛けることです。
試合に勝つことは重要ですが、怪我や故障をさけるマネジメントの下での勝利にこだわりをもっていきましょう。