ピンチでの笑顔は本当に効果があるのか?
こんにちは
BASEBALL FUTURE
(ベースボールフューチャー)です。
高校野球をみているとよくピンチで笑っていたり、負けている時ほど笑顔を作ろうとしたりします。
また「常勝」ではなく「常笑」をスローガンに掲げるチームもあります。
ピンチでの笑顔は本当に効果があるのでしょうか?
結論から言うと、笑顔には緊張を和らげたり、メンタルを冷静に保つ効果があります。
その効果については、心理学的な言葉で「認知的不協和」が起こるからと言われています。
認知的不協和とは、個人の中で矛盾が生じるのを嫌う現象で、その矛盾を取り除こうとして、矛盾を解消するような行動を起こすことです。
難しい定義ですので、例で考えてみましょう。
高価な買い物をした時、その高価なものがとても良いものであり満足をしていれば、矛盾は生じません。
しかし高価な割に期待通りのものではなかったとします。
「高い買い物をしたにも関わらず、あまり良くなかった」
これが矛盾が生じた状態です。
生じた矛盾を取り除こうと、自分が高いお金を出して買ったものだから、これはいいものなんだと思い込もうとすると、これが認知的不協和です。
ピンチでの笑顔にもこれと同じ効果が期待できます。
嬉しいことやいいことがあれば笑顔になります。ここに矛盾はありません。
ピンチや苦しい場面では苦しい表情やプレッシャーで体が固まったり、思うように体が動かなかったりします。ここにも矛盾はありません。
しかし、ピンチや苦しい場面で笑顔だとどうでしょうか?
ここには矛盾が生じています。
認知的不協和により、人間はこの矛盾を取り除こうとします。
「自分が笑顔を作っているということは、ピンチや苦しい場面ではなく、むしろチャンスや絶好の場面だ」
このように脳が思い込むことで、冷静さを取り戻したり、いつも通りのプレーができたりします。
これが苦しい時やピンチの時に笑顔になるとプラスに働くという理由かもしれません。
しかしだからと言ってずっと笑顔でいるのを、私は良いとは思いません。
もちろん試合に勝ったあとや、攻撃の得点のシーンでは多少の笑顔があっていいと思いますが、ミスをして笑っていたり、四球を出して笑っているのは論外だと思います。
プロ野球の世界を見ても良い投手ほど闘志は見せても、笑顔は試合が終わるまで見せません。
ポーカーフェイスと呼ばれますが、緊迫した試合で笑顔を見せることは虚勢を張っているにすぎません。
高校野球まではそうした笑顔で試合を乗り切るのも良いと思いますが、その先を目指すのであればそれ相応の態度と姿勢を持って試合に臨むべきだと思います。
もちろん草野球や少年野球や遊びの野球では、楽しむことが目的なので、どんな場面でも笑顔があっていいと思います。
PS.実はこのピンチで笑うという行為には一時的な効果はあるのですが、試合が終わったあとなどにその反動で不安や悲しみが増大するというデータも出ているようです。こうして考えると精神的には一概に笑顔が良いとは言い切れないので、強制的に笑顔を作らせることだけはしてはいけない気がしますね。