【中学野球】勝つチームか育てるチームか
こんにちは
BASEBALL FUTUREの
依田徹平です。
普段レッスンをしているとよく質問に上がるのが「中学に進学するにあたりどのチームに入るのが良いのか?」という質問です。
何を基準に中学野球のチームを決めるべきなのかを考えてみましょう。
目次
チームに何を求めるか?
レッスンをしている小学5~6年生の選手の保護者の方からよく聞かれるおすすめの中学のチームを教えてほしいという質問ですが、その答えはとても難しいものです。
なぜならば選手が何を求めているのか?保護者の方が何を求めているのか?によって答えが変わってしまうため明確な正解がないからです。
ではどのようなことを考慮する必要があるのかをまず考えていきましょう。多くの人が考えるべき内容は以下の4通りです。
①勝ちにこだわるチーム
②育成に力を入れるチーム
③育てながら勝てるチーム
④試合に出れるチーム
それぞれについて解説をしていきます。
①勝ちにこだわるチーム
中学の野球チームの8割以上がこの勝ちにこだわるチームであると考えられます。それは野球が勝利を目指すスポーツである以上当然のことですし、勝ち上がり優勝を目指すことは間違ったことではありません。しかし勝ちにこだわるあまり選手の将来を潰してしまうようなやり方は正解とは言えません。
例えばチームが勝つために優秀な投手を試合で酷使したり、中学生の成長途上の体に「勝つために」と過度なトレーニングを課してしまうと本来高校や大学でもっと伸びるはずだった伸び代を奪ってしまいかねません。また、最悪のケースでは肩・肘や腰を怪我してしまい野球ができないほどの怪我をおってしまうことも考えられます。
厄介なことは「勝ちにこだわっていない」と考えているチームであっても、勝ちへのこだわりを完全に捨て去ることは難しく選手の可能性を知らず知らずのうちに潰してしまっているということです。
しかし他方では中学時代に猛練習を行い大会を勝ち上がりアピールをすることで強豪校への道が開けるというケースもあるので難しいところです。
②育成に力を入れるチーム
勝ちにこだわるチームがある一方で育成に完全に力を入れているというチームもあるようです。例えば投手に対しては投球制限を練習から課したり、選手の成長の個人差に合わせてメニューを作ることで体の成長を助けたり、怪我防止のために柔軟性を高めるトレーニングを多く取り入れたりすることで選手のフィジカルを作りその上で技術指導も科学的な練習を取り入れているようです。
このようなスタイルのチームの場合は中学時代に詰め込みすぎないため、伸び代が大きく卒業後に才能が開花するということが多くあります。しかしながら勝ちに拘ったトレーニングを積んでいるチームに勝つことは難しくアピールという面では劣ってしまうかもしれません。
逆に言えば中堅高校のスカウトはこうしたチームにいる一見目立たない選手が高校で急激に伸びる可能性を秘めているのでめぼしい選手はいないかと目を光らせているということもよくあります。
③育てながら勝てるチーム
③育てながら勝てるチーム
育てながら勝てるというチームも稀に存在します。チームとしては選手の将来性を考えながら育成に力を入れているのにもかかわらず試合ではある程度の成績を残すことができるというまさにハイブリッドなチームです。
ではなぜ育成をしながら勝てるのかというと答えは簡単です。もともとある程度の実力を持った選手が入部しているからです。そのため過度な練習をさせずに将来のための育成に力を入れるだけでもある程度勝ち上がることができるのです。
ではなぜ良い選手が集まるのかというと、それは育成に力をいれることで卒業後に高校や大学、プロの世界で活躍する選手が多いという評判が広がっていくからです。
このような良い評判が広がっていけば無理に勝ちにこだわることなく育成に力を入れることで勝利と育成を両立することができるでしょう。
しかしその実績や評判を作るためには確かな指導力や考え方、環境が必要となるためそう簡単に真似することはできないでしょう。
④試合に出れるチーム
成長期が遅れており体格が周りと比べて劣っている、もしくはまだまだ強いチームではやっていくレベルではないという場合無理に強いチームや人数の多いチームに入る必要はありません。それよりも自分のレベルにあったチームに所属することで試合機会を得ることができたり、部員数が少ないことで一人当たりの指導が手厚くなり中学で一気に実力を伸ばすというケースも十分にありえます。
実際小学校時代は全く目立つ選手ではなかったという選手が試合への出場機会が多かったことで急成長をするということがよくあります。
まとめ
このようにチームにはそれぞれ特徴があり考え方や指導方針が違います。どれが正解ということはありませんが、その選手の特徴によってどこに行くのがベストなのかを決めるという視点は持っておいて欲しいと思います。
また今回は硬式野球と軟式野球の違いには触れませんでしたがそれぞれにメリットとデメリットが存在するのでチーム選びの際には特徴を調べてみるようにしましょう。