バッター球種の待ち方(上級編)
こんにちは
BASEBALL FUTURE
(ベースボールフューチャー)です。
前回はバッターの球種の待ち方、その基本的な考え方をお伝えしていきました。
(前回のブログはこちらから)
今回はその上級編として、変化球にタイミングを合わせてストレートにも対応する選手の話をしていきます。
はじめに断っておくとこれは全員ができる技術ではありません。
それはセンスがあるセンスがないという話ではなく
選手によって合う合わない、があるからです。
むしろこのように変化球に、常にタイミングを合わせている選手の方がプロ野球の世界でも圧倒的に少なく、特殊だからです。
またオーソドックスな真っ直ぐ待ちで、変化球を打つ選手で高い打率を残す選手はいくらでもいます。
つまり上級編と書きましたが、どちらが良い悪いという話ではなく、どちらに合うか合わないかという話なのです。
それを踏まえた上でぜひ読み進めていってください。
どのような選手が変化球を待って真っ直ぐにも対応をしているのでしょうか?
それは日本を代表する左バッターの2人です。
・イチロー選手
・青木選手
この2選手に共通するのは、左バッターであること、アベレージの残せる選手であること、そして変化球待ちをしていること。
イチロー選手の場合は、変化球待ちというより、
相手投手の一番遅い球にタイミングを合わせている、と表現をされていました。
一般的に考えると、遅い球にボールを合わせて、150Km以上のストレートを打つことができるのか?と疑問に思うかもしれませんが、それができてしまうのが、この2人の選手のすごいところです。
ではどのような考え方から変化球待ちをしているのでしょうか?
まず第一にストレートにタイミングを合わせていると、遅い球に対して体が開き、タイミングも泳がされてしまうということです。
確かに遅い球を待っていれば、遅い球に泳がされてたり、体が早く開いてしまうことはありえません。
ではストレートにはどのように反応をするのでしょうか?
これは個人的な見解ですが「カット」です。
ホームランバッターではそうはいかないかもしれませんが、遅い球を待っていても、この2人の選手は、常にいつでもバットを出せるフォームをしています。
だからこそ遅い球を待っていて、150kmを超えるストレートが来ても反応をしバットに当てることができるのです。
そうしているうちに
ピッチャーは投げられる球種が減っていきます。
何故ならば、速いストレートはカットされてしまう、かといって変化球を投げれば、そもそもバッターは遅い球にタイミングを合わせているので簡単に反応をしてしまう。
こうしているうちに、バッターも様々な球種を見ることができ、それぞれの球種に対するタイミングを掴んでいきます。
一方、ピッチャーは投げるボールがなくなり、変化球が甘く入れば打たれてしまい、ストレートも打席で何球も見ればタイミングが合ってきてしまうので、少しでも甘く入れば、待っていなくても打ち返すことができてしまうのです。
またそうして球数を投げさせているうちに、フォアボールになってしまうということも考えられます。
こう書くと、変化球待ちでストレートは反応で打った方が相手ピッチャーも苦しく、いいことしかないように思うかもしれません。
しかし当たり前ですが、そう簡単にできる技術ではありません。
まずピッチャーが投げる球種を瞬時に見極められる目と、それを一瞬で判断し、ヒットを狙いに行くのかカットで逃げるのかを選択する能力、さらにそれを実践できるだけのバットコントロールも求められるのです。
少し話は逸れますが、何故イチロー選手は今打率をなかなか残すことが
できていないのでしょうか?
イチロー選手が最後に3割の成績を残したのは2010年、それ以前とそれ以降では何が変わってしまったのでしょうか?
セイバーメトリクスによると、140Km以下のボールに対する打率はそれほど下がってはいないのですが、140Kmを超える速球系のボール(ストレート、カットボールなど)の打率が急激に落ちてしまったようです。
その結果、全体的な打率が落ちてしまったのです。
つまりオリックス時代から17年以上も打率3割以上を残してきたイチロー選手であっても、ボールに対する反応が遅くなってしまうと、簡単にできる技術ではないということです。
このタイプは左バッターに多いようですが、それは左バッターの方がアベレージタイプのバッターが多いからかもしれません。
話を聞いたことはありませんが、ソフトバンクの中村晃選手も同じようなボールの待ち方をしているように見えます。
もしあなたが今バットコントロールに自信があり、選球眼や反応に自信があるのであれば、この待ち方を試してみるのもいいかもしれません!
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