打撃タイトルとフィジカルの関係【首位打者編】
2020年シーズンも終盤に差し掛かりいよいよ各チームの順位が見えてきました。既に両リーグともに優勝が決まっている状況ではありますが、個人成績に関してはまだまだ熾烈な争いが続いている状況です。
特に打撃成績の首位打者争いや本塁打王争いは日々状況が変わっていくので目が離せません。そこで今回は過去20年の首位打者と本塁打王のタイトル獲得者の体格を調べてその関係性に迫りたいと思います。
首位打者のフィジカル
今シーズンは現在セ・リーグでは横浜の佐野選手が首位打者、パリーグではオリックスの吉田正尚選手が首位打者を走っていますが、2位以下とは僅差であるためまだまだ油断ができない状況です。
ほぼ順位は決まっているので今後はタイトルを獲るために打席を回避する動きもあるかもしれません。両者ともに首位打者を獲得すれば初めてのタイトルとなります。
佐野選手は左打の外野手で身長が178cm体重が88kgとなっています。吉田正尚選手は左打の外野手で身長173cm体重85kgとやや小柄の選手です。
セ・リーグの2000年〜2019年までの首位打者の傾向は
右打者10人
左打者9人
両打ち1人
平均身長181.2cm
平均体重90.2kg
パ・リーグの2000年〜2019年までの首位打者の傾向は
右打者3人
左打者16人
両打ち1人
平均身長181.8cm
平均体重87.7kg
となっていますが、日本人に限って見ると以下のようになります。
セ・リーグ
右打者6人(-4人)
左打者9人
両打ち1人
平均身長180.4cm(-0.8cm)
平均体重87.1kg(-3.1kg)
パ・リーグ
右打者2人(-1人)
左打者16人
両打ち1人
平均身長181.7cm(-0.1cm)
平均体重87.4kg(-0.3kg)
このように日本人の首位打者を過去20年で見ると左打者が圧倒的に多くなっておりセ・パ共に平均身長は180〜181cm平均体重は87kgと同じような数値が出てきました。
なぜ左打者に首位打者が多いのか?
この左打者に首位打者が多いというデータが出ているのにはいくつか理由が考えられます。まず一つ目は内野安打の確率が右打者よりも高いということ。二つ目は左右の相性の問題があるかもしれません。プロ野球の代打の傾向から見てもわかるように右投手には左打者左投手には右打者を代打に送ります。
これは右投手に対しては左投手、左投手には右打者の方が相対的に相性が良くなっているというデータがあるからです。
そしてプロ野球の投手の割合を見るとおおよそ3:1〜4:1ほどの割合で右投手が多くなっています。
こうしたことから左打者に若干有利なデータが出ているのかもしれません。
このデータに照らし合わせて見ると佐野選手は左打ちで身長178cm88kgとなっており首位打者の平均値には近い体型であると言えるでしょう。
対して吉田選手は左打者ではありますが身長173cm体重85kgと体重は平均値に近いですが身長が平均に比べると低くなっています。しかし昨年の首位打者が身長170cmの森友哉選手であることを考えると身長で全てが決まるということはないでしょう。
もちろん右打者であっても首位打者を獲得している選手はたくさんおり全てがデータ通りに行くわけではないので頭に入れておきましょう。
次回は本塁打王編です。首位打者の数字との違いに迫ります。