まずイメージがあり次に体が動く
こんにちは
BASEBALL FUTURE
(ベースボールフューチャー)です。
テレビを見ていて、スポーツ選手のインタビューで、
「体が勝手に反応した」
というような言葉を耳にしたことはありませんか?
野球でいうなら、守備の際に難しい打球に対して、体がうまく反応して好守をみせたり、バッティングで、難しいボールに対してうまくヒットを打つことができたり。もしかしたらあなたにもそんな経験があるかもしれません。
この体が勝手に反応した、とはどういうことなのでしょうか?
まずはっきり言えることは
実際に体だけが反応をして、プレーが行われるということはないということです。
必ずプレーを行う前には、頭の中でこれから行うプレーのイメージを思い描きます。
その先行したイメージを体が追って行くことで、プレーをしています。
例えば守備であれば、ピッチャーが投げたボールがバットにインパクトされた瞬間に、飛んできた打球に対して、どう打球処理をするか、イメージを頭の中で思い描きます。
・どのようにボールを追って行くか?
・両手で捕球をするのか?
・シングルキャッチをするのか?
・どこにボールを投げるのか?
・送球を急がなければいけないバッターなのか?
このようなことを瞬時に判断し、最も適したプレーのイメージを再現しようとします。
おそらくほとんどの選手が、ここまでの工程を無意識のうちに行なっていることでしょう。
もちろん自分がイメージした通りのプレーを再現できない、ということもあるでしょう。その原因は反復練習の不足であったり、そのプレーを再現できるだけの身体操作能力が備わっていなかったり、することにあります。
ただここであなたに押さえておいていただきたいことは、そうしたイメージの再現度ではなくイメージそのものです。
先ほどもお伝えした通り、プレーの前には必ずイメージがあります。
逆に言えばイメージがなければ、プレーを行うことができないのです。
例えば、野球を全く知らない人が、守備についたとしたらどうでしょうか?
飛んできた打球に対して、捕球をするイメージが浮かぶでしょうか?
おそらく捕球のイメージが全く浮かばないため、体が動かずエラーをしてしまうでしょう?
では野球をやったことはないが、プロ野球をよく見る人ならどうでしょうか?
この場合はたとえ野球初心者であっても、その人には打球を捕球して送球を行うという確かなイメージが存在します。
そのプロ野球で見た通りのイメージを、体が再現することができればアウトを取ることができるでしょう。
しかし実際には、練習をしたことがないため、身体操作がうまくいかず、体が言うことを聞かないので、エラーをしてしまうかもしれません。
この時、練習をせずにイメージだけでプレーを完璧に行うことができる選手が時々います。
このような選手は
非常に優れたイメージ力と、身体操作能力が備わっていると言えます。
こうした選手は、やったことがないプレーでも、「見たことがある」というだけで
すぐにプレーに移すことができるでしょう。
ですがそのようなことができる選手は、ごく一部の選手です。
実際にはまずイメージを頭に入れ、そのプレーを何回も反復して練習を行い、実際のプレーとイメージの中のプレーとの差をできる限り無くしていくという工程が必要になります。
そうして何回も繰り返し練習を行なっていくことで、イメージの中のプレーの再現度が高まっていきます。
その結果打球が飛んで来れば、打球をさばくイメージが反射的に頭に浮かび、そのイメージを忠実に再現をすることで、アウトを取ることができるようになるのです。これが「体が勝手に反応をした」という状態です。
つまり何が言いたいのかというと、どんな状況であっても、イメージがなければ「やったことがない」「みたことがない」というようなプレーはとっさには行えないということです。
しかしながら、野球とは常に予想外のことが起こるスポーツです。
ピッチャーがどこにどんな球を投げてくるか分からない、打球がどこに飛ぶか分からない、どんな速さでどんな軌道でくるかも分からない、ランナーがどんな動きをするか分からない。
それら全てのプレーを的確にこなすためには、それぞれのプレーをこなすだけの
イメージが必要になります。
それは先ほどもお伝えした通り、イメージがなければプレーを行うことができないからです。
良い選手になるためには、より多くのバリエーションのプレーを行う必要があります。だからこそより多くのバリエーションのイメージが必要です。
その一つ一つのイメージを実際のプレーで再現できるようになって、初めて「引き出し」が一つ増えていきます。
これから高いレベルを目指しているという選手は、イメージのバリエーションを増やすことを行なっていきましょう。
それは上手い選手のプレーを見て増やすのもいいでしょう。
自分自身で色々考えながら増やして行くこともいいでしょう。
そうしてその増やしたイメージのバリエーションを、完璧に自分の引き出しの一つとできるようにとことん練習をしましょう。
あなたは大丈夫ですか?
毎日ただ同じようにバッティングをしているだけ、ただノックを受けているだけ、ただピッチングをしているだけ、このようになってはいませんか?
そのままでは、いつまでたってもイメージは増えず、引き出しも増えないため、試合でのとっさのプレーに体が反応することはないでしょう。
バッティングではどのように変化球を打つのか?
アウトコースをどのように打つのか?
ピッチングでは、どのようにコースを投げ分けるのか?
どのように変化球を投げるのか?
そのようなことを考えながらイメージを膨らませていき、引き出しを増やしてみてはいかがでしょうか?