牽制を行う4つの意味とは?

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こんにちは
BASEBALLFUTUREの依田徹平です。

今回はピッチャーにおける牽制について解説します。

牽制とは
ランナーを出してしまった時出塁しているランナーに対してピッチャーが送球を行うことによって、ランナーをアウトしたりリードを小さくさせたりする効果があります。

では次にそもそもなぜ牽制を行うのかというところをまずは解説します。

牽制を行う4つの意味

牽制を行う上での目的は大きく分けて4つあります。

・1つ目は相手の出方を探ること
・2つ目はランナーのリードを小さくすること
・3つ目は盗塁や打球に対してのスタートを遅らせること
・4つ目がアウトにすることです。

それでは、1つずつ解説をしていきます。

相手の出方を探る牽制

まず1つ目の相手の出方を探るための牽制とは、例えばノーアウトランナーが1塁になってしまったケースでは、攻撃側は色々な作戦を取ることができます。ヒッティングのケースもありますし、セオリー通りバントで送ってくる場合やエンドラン、スチールなど、色々な作戦が考えられます。守備側はそういったケースを想定しながら守備を行わなければなりません。もちろん全てを警戒しなければなりませんができれば相手の作戦が分かった方が、その作戦を阻止しやすいですよね。なので、「どういった作戦を取ってくるかな」というのを探るために牽制を行います。

例えばセットポジションに入った状態からプレートを外してランナーを警戒する時、ランナーが「過剰な戻り方をしている」「少し慌てて戻っている」「スタートの動きを見せてしまう」ことがあると思います。この場合、もしかしたら盗塁の可能性があるかもしれません。他にもセットポジションに入ってからあえて間を長くしてから牽制を行ってみると、ランナーやバッターの微妙な反応を見ることができます。

もしかしたらバントのサインが出ている場合、牽制した時にバントの構えを見せてしまうことがあるかもしれません。逆にバントの構えをしない場合でも、バントしたいという気持ちから普段の構えとは変わりバットの動きを止めてしまうなど、サインが透けて見えたりする時があります。そういったところを探るためにも牽制をする必要があります。

なので、基本的には塁にランナーが出た時点では、牽制を入れておく方が良いです。この探りの牽制を入れることでしっかりとランナーの出方やリードの仕方、バッターの動きを観察してください。その上で、こちらがある程度「これがくるのではないか」というのを想定して動いていくと、相手の作戦を阻止しやすくなります。

ピッチャーはキャッチャーもしくは野手からのサイン、もしくは自分の判断で牽制を投げることもあると思います。その際ただ適当に投げるだけでは意味がないので、先ほど言ったように少し間を長く持ってみたりして様子を探るようにしていくと、ランナーの出方が見やすくなりますのでぜひ実践してみてください。

リードを小さくする牽制

2つ目はランナーのリードを小さくすることです。さっきのケースで言うと、盗塁を仕掛けてくる時にもしかしたらリードを大きく取っている選手がいます(その逆も)。ピッチャーにとってランナーのリードが大きいことは良いことではないので、少しでもランナーが次の塁に行く距離を長くするために牽制を入れます。早い牽制ができればランナーも危ないと思ってリードを小さくすることが多いです。

高いレベルになってくると、牽制を入れることによって逆にリードを大きくする選手もいますが、基本的には鋭い牽制をしっかり投げられればランナーのリードは小さくなっていきますので守備側には有利に働きます。

スタートを遅らせる牽制

3つ目はランナーのスタートを遅らせるために行う牽制です。先ほどのリードを小さくさせた上でさらにスタートを遅らせることができれば、圧倒的に守備側に有利に働きます。例えば、1回目はすごく長くセットポジションを取ってから牽制を行う、逆に次は短めで投球を行う、首を使ったりして牽制を行う。その他にも首を2回振ってから牽制を行ってみたり、逆に首を使ってから投球を行うなど、、、このようなバリエーションを持っておくとランナーはスタートが切りづらくなります。ただし投球動作以外でグローブや肩が動いてしまうとボークを取られてしまい次の塁にランナーが進んでしまうので注意しましょう。

逆にランナーがスタートを切りやすいピッチャーは、毎回同じタイミングで投げるピッチャーです。セットポジションに入ってから同じタイミングで投球モーションに入る選手が多くいます。これは多分無意識でやっている選手が多いですが、ほぼ同じタイミングで投げてしまっているので、そうするとランナーはタイミングを読んでギャンブルスタートを切ったりします。なので、ランナーのスタートを遅らせるためにはもいろんな投球や牽制のバリエーションを持っていることが大切です。

アウトをとる牽制

そして4つ目がアウトを取る牽制になります。これは1試合でどれだけあるかというとご存知の通り少ないです。しかし牽制でアウトを取れるに越したことはありません。基本的にはなかなかアウトを取れないので、アウトを取りに行く時はしっかりと決めて投げた方が良いと思います。つまり、全ての牽制をアウト狙いで行ってしまうと、かなり早い牽制をしなければいけないのでエラーのリスクも高くなりますし、毎回同じような牽制をしているとランナーは慣れてしまうのであまり引っかかってくれません。

なので、アウトをしっかり取りたい場面というのは、例えば探りの牽制を入れる中で明らかに反応がおかしい、時や足が早くて走ってきそうだなという時場面(2アウト1塁など)。こうしたケースは牽制でアウトを取りやすくなります。

アウトを指すためには牽制のバリエーションを3つぐらい持っておくと良いと思います。まず普通に外してから投げる牽制、これはアウトに取る牽制ではありません。次に少し速い牽制をプレートを外さないで行う、これでランナーのリアクションを確認します。これでアウトが取れそうだと思った場合、自分の持っている一番早い牽制を行いましょう。

ランナーとしてもプレートを外さない牽制が一番速い牽制だと思っているので、これぐらいで戻れると思ったらリードをもうちょっと大きくする可能性もあります。その時に自分が持っている一番速い牽制を実行することによってアウトを取れたりします。

また、ランナーが警戒していないタイミングで牽制を投げるのも大切です。キャッチャーのサインを見ている状態からいきなり牽制を行うなどランナーも少し集中力を欠いている時があるので、アウトを取りやすくなります。これがアウトを取るための牽制となります。

まとめ

以上、牽制を行う意味は大きく分けて4つあります。1つ目が相手の出方を探るための牽制、2つ目が盗塁などされないためにランナーのリードを小さくさせる牽制、3つ目がスタートを遅らせるための牽制、そして4つ目がアウトを取る牽制です。これら4つの意味を意識して牽制を行うと、試合も面白くなり、ピッチャーとしての幅も広がると思います。

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