クライマックスシリーズ ロッテ対ソフトバンク戦 で起きた中継プレー

こんにちは
BASEBALLFUTUREの
依田徹平です。

先日CSファーストステージ第3戦ロッテ対ソフトバンクの試合が行われました。
勝った方がファイナルステージ進出となる大事な一戦は9回を終わって0−0の緊迫した投手戦でしたが10回表の攻撃でソフトバンクが均衡を破り一気に3点をリードしました。

しかしその裏、しぶとく繋いだロッテ打線は3ランが飛び出し試合を振り出しに戻し、なおもランナー1塁の場面右中間の深いところへ飛ばした長打の打球をライトの選手がなんとかバウンド後に捕球し中継へと繋ぎましたが、1塁ランナーの岡選手が一気にホームまで走りクロスプレーの結果サヨナラタイムリーとなりロッテがファイナル進出となりました。
実際のシーン⇩

サヨナラは防げた?

WBCのメキシコ戦を思わせるような劇的な試合でしたがこのシーン中継プレーの仕方次第ではサヨナラを防げたかもしれません。

まず第一に本塁まで帰った岡選手はナイスランと言えます。
また右中間を抜けていきそうな打球をなんとか止めたライトの谷川原選手も良いプレーだったと思います。
しかし、この時ギリギリで追いついたために中継のセカンドまでの送球がやや遅く短い送球になってしました。

その結果セカンドの選手は一度ホームとは逆のライトの方へ送球を追いかけてからホームへ送球をする形となりました。その後は素晴らしいボールを捕手へと返球しましたが間一髪間に合いませんでした。

中継の最適な位置とは?

もしも、、、ということを言い出すとキリがありませんが、次の試合や自分に活かすためにはこの時2塁手として何をすべきだったかを振り返る必要があります。

中継プレーを行う際カットに入る内野手は大前提として素早く正確な捕球と送球が必要となりますが、もう一つ重視しなければならないのは最適な位置でボールを受けることです。

最適な位置とは
①外野から送球を返すベースを結んだライン上に入ること
②上記のライン上の外野寄りもしくはベース寄りの最適な位置に入ること

①は単純に直線的にボールを運ぶために必要なことです。例えば直線的に入れないと送球ルートが遠回りするのでボールの返球が遅れてしまいます。なので打球が飛んだ方向の外野手と送球を行うべきベースを交互に見返してラインに入るようにしましょう。

また完全に最短ラインに入る必要はなく、外野手の送球の癖(シュートが強いなど)によって若干ラインをずらして待つのもありです。

難しいのは②のベース寄りか野手よりかという点です。この時の最適な位置というのは以下の条件によってかなり変わります。
・返球を行うベースまでの距離
・外野手の肩
・内野手の肩
・外野手の捕球体勢
・外野手の利き手

例えば、返球を行う距離が長い時にあまりにも外野手寄りにカットマン(中継を行う内野手)が行きすぎるとその後の返球が遠くなり大変になり場合によってはカットが2枚必要になるかもしれません。

ですが、外野の肩が弱くカットマンの肩が強ければそれも正解となるでしょう。
一方で外野手が勢いよく送球を行う方向へ進みながら捕球を行った場合送球のための助走ができている「良い捕球体勢」ができているので強い送球が返ってくる可能性が高くなります。なのでカットマンはベース寄りに位置をとった方が良いでしょう。

今回のケースはライトの谷川原選手が右中間の打球にギリギリで追いついたのでホームへの返球に対してはかなり「悪い体勢」となります。これが左利きの選手であったならさらにホームへの返球が難しくなることでしょう。
このようなケースの場合、カットマンは外野寄りにかなり近づき早くボールを受け取った方がカットからホームまでの距離は長くなりますがスピードという点では効率が良くなります。

ですが、この時のセカンドはライトからの送球を少し外野側に追いかけてから捕球をしてから反対方向のホームへと送球をしていました。つまりやや最適な位置からはホーム寄りで待ってしまったように感じます。

この時ライトの捕球体勢をみてもう少し外野寄りで待つことができていればライトも短い距離を投げれば良いのでもっと素早い返球ができ、カットマンもそこからホーム側へ少し引きながら捕球を行うことができるのでホームへの送球がスムーズになり間一髪アウトとなっていたかもしれません。

なぜ最適な位置に入れなかった?

ではなぜこの時カットマンは最適な位置に入ることができなかったのでしょうか?
考えられることは以下の2点
・右中間を抜けなかったので1塁ランナーがホームに行くこと警戒心が薄れてしまった
・ライトを守る谷川原選手が球界屈指の強肩だった

特に2点目の谷川原選手の肩の強さが頭に入りすぎてホーム寄りにポジションを置いてしまった可能性は高いです。
谷川原選手の強肩⇩

しかし流石にこれだけ体勢が悪いと流石に谷川原選手といえど強い送球はできません。

選手としては次に活かすことが大切

最適なポジションをとっていればアウトになったかもしれませんし、結果は変わらなかったかもしれません。ですがこのプレーを参考に選手としては自分のプレーに活かしていくことが大切です。

ノックでもこのような打球を打ってもらい最適なカットポジションに素早く入ること、外野手の肩を把握すること、自分の肩を強くすること、捕ってから投げるまでを早くすること

色々な練習をする必要があると思います。ぜひ広い球場で練習ができる時はこうした練習をしてみましょう。

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