捕ってははいけないフライとは?
こんにちは
BASEBALLFUTUREの
依田徹平です。
野球はノーバウンドでフライやライナーなどの打球を直接捕球した場合1アウトを取ることができます。9イニングの場合勝つためには27個のアウトを取ることが必要なので守備側はこのフライを捕りアウトにすることが基本とされています。
しかしこのフライを取らない方が良いケースがいくつかあります。
そのケースをあなたはいくつ想像できるでしょうか?
ケース①ランナーのタイマンプレーを見逃さない
まず1つ目のケースは無死もしくは1死1塁のケース
この時内野フライが上がった時、1塁ランナーは補給に備えて帰塁をする必要があるので2塁へスタートは切れません。一方バッターランナーは落球に備えて1塁へ走る必要がありますが、この時バッターランナーがアウトを確信して全力で走らないことがあります。
こうしたケースに遭遇した場合あえてフライを1バウンドさせてから捕球することで1塁ランナーに2塁への進塁義務が生まれます。
そのまま素早く2塁へ送球をしてフォースアウト、そして1塁へ送球することでダブルプレーを完成させることができます。仮にバッターランナーが全力で走っていた場合はダブルプレーを取ることは難しいので打球を落とす必要はありませんが、こうした怠慢プレーをしている選手の場合は咄嗟にフライを落とすという判断はありでしょう。
また1塁ランナーの足が非常に速くバッターランナーの足がそれほど速くない場合はあえて落として1塁ランナーをアウトに取ってしまうという作戦も場合によってはありです。
ここで注意をしなければいけないポイントが2つ
1つ目は1,2塁や満塁の場合はインフィールドフライとなるので落としてもあまり意味はありません。例外としてあり得るケースはバントで上がった小フライ。少し上がったくらいのフライにはインフィールドフライが宣告されないので頭に入れておきましょう。
2つ目は故意落球とならないこと。ノーバウンドのフライを一度グラブに当ててから故意にボールを落としダブルプレーを狙うプレーは故意落球と判断されればそのままバッターアウトとなるので注意しましょう。
ケース②タッチアップされそうなファールフライ
2つ目のケースはランナーが3塁にいるケースのファールフライです。守備はアウトを取りに行くことが必要ですが、それ以上に点を取られないことが重要です。なぜならば相手に点を与えなかれば最悪負けることはないからです。そうした意味では1つのアウトを見逃す代わりに1点を防ぐという判断も時には必要になります。
例えば無死もしくは1死で3塁ランナーがいるケースでレフトに大きなファールフライが上がったとします。この場合フライを取ってしまうとアウトは取れますがタッチアップされて1点を相手に与えてしまいます。しかしあえて捕球をしないことでファールとなりストライクカウントが1つ増えます。(2ストライクの場合はそのまま)
その後このバッターを三振や内野ゴロ、内野フライなどに打ち取ることができれば1点を失わずにこのイニングを終えることができます。もちろんファールにした後にホームランを打たれてしまう可能性もありますが、どうしても1点をあげてはいけない場面ではからならずやらなければいけないことです。
しかしこの判断はとても難しいです。
状況判断例
○フライを捕球しても良いケース
・大量の点差がある場合
・タッチアップされても刺せる自信がある距離もしくはランナーの場合
・最終回1死で2点差以上の場合(捕球すれば2死ランナー無しで最後のバッター勝負)
・フェアかファールか際どい場合は捕球優先
など
○フライを捕球してはいけないケース
・同点もしくは僅差のゲーム(終盤であるほど特に捕球すると苦しくなる)
・コールドを含むサヨナラの場面←絶対に捕ってはいけない
など
その他様々なケースが考えられます。
特に外野の選手は注意が必要ですが内野も例外ではありません。
内野手もファールフライが上がった場合本能的に打球に飛びついてしまいがちですが、背面で追って捕球した場合捕球体勢や捕球位置によっては3塁ランナーはスタートをしてくるので注意しましょう。
以上がフライを落とした方が良いケースの一例です。ぜひ僅差のゲームの時は頭に入れて守備につくようにしましょう。