不便さが器用さを生む?〜学童野球を支える大人の方へ〜

こんにちは
BASEBALL FUTUREの
依田徹平です。

飛距離が出るバットや球速が出るグラブ、そのほかにもパフォーマンスが上がるといわれる道具が最近はたくさん出てきました。軟式野球の場合、飛距離はお金で買えるとまでいわれるようになってきました。もちろんそうした最先端の道具を否定しているわけではありませんし、活躍をしなければ野球は楽しくないのである程度は道具に頼ることも必要でしょう。

しかしながら私は道具に頼りすぎることで最も肝心な「選手自身のパフォーマンスが上がらないのでは」と心配しています。例えば学童野球で使っていた飛ぶバットは硬式野球になれば使えません。そうした時に今までよりも飛距離が出なくなってしまうのは当たり前のことです。なぜならば自分が上手くなって手に入れた飛距離ではなく、道具の力で手に入れた飛距離だからです。

もちろん良いスイングをしていれば、バットが変わっても結果を残すことはできます。ですがそれも一部の選手だけでしょう。多くの選手が道具が変わったことでパフォーマンスが下がってしまい「下手になった」と錯覚してしまうのです。

まずは分かりやすく議題にもあがりやすいバットを例にしましたが、この話はバットだけの問題ではありません。高価で高性能なバット、良いシューズ、良いバッティンググローブなど探せば間違いなくパフォーマンスが向上する道具で溢れています。こうした道具を使うことで野球が下手になることはありません、しかし劇的に野球が上手くなるかというとそれは難しいと思います。なぜならば人間は不便さがあった方がその状況の中で適用しようと器用になれる生き物だからです。

いきなり良いグラブはいらない?

どういうことかグローブを例に出して考えてみましょう。グローブはかなり昔のものとなると厚い手袋のようなもので今となっては扱うのも難しいと思います。

しかし現代ではポジション別に高機能なグラブが溢れています。例えば外野手用のグローブはギリギリのフライにも追いつくために他のグラブと比べて長い形状をしていますので守備範囲は広がるでしょう。

しかし、野球を始めたばかりの選手にいきなりそんな高機能なグローブを持たせて野球が上手くなるでしょうか?答えはNOです。もちろんそのグローブを使うなかで少しずつ上達はしていくと思いますが、普通のオールラウンド用グラブを使う方が確実に野球は上手くなります。なぜならば短いグローブで練習をしていれば短いグラブでも捕れるように、一歩目が早くなり、ボールまで走るスピードが上がり、落下点に無駄なく入るように練習するからです。

確かに良いグローブの方が簡単に捕れるかもしれませんが、短いグローブでずっと練習を積んでいる選手の方が確実に守備範囲は広くなるでしょう。こうして選手の技術が上がったところではじめて外野手用のグラブを使わせてあげればまさに鬼に金棒の状態となるでしょう。ほんの僅かな差かもしれませんが、将来的にみてどちらがより選手のためになるかを考えれば答えは明白です。

そうしたある種の「不便さ」を作り出す練習道具も最近では流行っています↓

源田選手が使うこの練習用のグローブはボールを握ることができないので確実に正面に入り両手で捕球をする必要があるので「不便」ですが、道具に甘えずに選手の本当の技術が求められるので確実に上手くなることでしょう。

繰り返しになりますが、私は良い道具を使うなと言っているわけではありません。むしろ試合では積極的に使うべきだと思っています。その証拠に源田選手もこの練習用グラブを試合で使うことは決してありませんよね。「上手くなるため」と我慢をし続けて結果が出なければ野球がつまらなくてやめてしまうでしょう。

不便な状況が子供を成長させる

打ちづらいバットを素手で持ち、裸足でバッティングをすればもちろん怪我も増えると思いますが確実に上手くなります。このようにあえて不便な状態を作り出してあげることで野球が上手くなるということは裏を返せば「なに不自由なく与え過ぎてしまうと野球が上手くならない」とも言えると思います。

これは道具に限ったことではありません。ボール拾いやグラブ磨き、グラウンド整備や練習の設営などを大人が全てやってしまってはいませんか?時間がない中、効率的な練習をする上では大切な取り組みだとは思いますが、小さな子供たちにとってはそうした練習以外の行動も運動神経を高める要素になります。

例えば赤ちゃんは仕方がないにしてもある程度成長してきている子供に対していつまでも過保護にご飯を口に運んであげたらどうでしょう?これはお箸で食べ物を掴む、口に運ぶ、茶碗を持つといった運動体験を子どもから奪ってしまうことになるので一向に手先は器用にならないでしょう。同じようにボールを拾うことやグラウンド整備さらにはグラブ磨きも立派な運動体験です。なんでも大人が与え過ぎてしまうことは結果的に子供のためにならないので注意が必要です。

野球の技術に話を戻します。こうした不便さが子供の成長を作ると考えた時、子供のうちに最も野球が上手くなる方法が何か考えた時最も良いと思ったのはやはり野球遊びをやらせてあげることでした。昔はよく公園に集まり野球をしていました。野球といってもバットはカラーバットや木の枝などの棒状のもの、ボールもゴムボールや何か丸いもの、もちろんグローブもなく素手で。

この状態でも十分に試合は成立していました。普通のボールよりも小さいボールを普通のバットよりも細く短く飛ばないバットで打つ中で段々ミート力が上がり、物の扱い方を覚え、体の動かし方を工夫することで飛距離を出す。それを素手で掴んでいくことで弾かず柔らかい捕球が身に付く。おまけに試合感も身につきます。今考えると子供にとってこれ以上に良い練習はないかもしれません。

最後にこちらの動画をご覧ください。

こちらは昔の公園などの風景ですが今の子供とは明らかに運動神経が違うと感じることでしょう。生まれた瞬間のポテンシャルは今と変わらないと思いますが、育っていく環境が今と昔では違います。今は公園でも学校でも危険とされる遊具は撤去されているだけではなく、遊びも進化して家でゲームをする機会の方が多いのではないでしょうか?その結果運動経験が圧倒的に足りず、それが野球のレベル低下にもつながっているのかもしれませんね。

しかし、少し視点を変えて工夫をすればいくらでも子供たちを成長させることはできると思います。

例えばボールを拾う時に遠くからボールを投げてカゴに入れようとする子供がたくさんいます。拾う効率を考えればカゴを持っていって直接ボールを入れていけば早いのでしっかり拾いなさいと今までは思っていましたが、よく考えればこれも一つの運動体験。高校生がそんなことをしていれば怒られますが小学生くらいまではまだまだ運動神経も伸び盛りなのであえて遠くからボールを投げさせてカゴを狙わせるようになりました。

こうした環境を子供の近くにいる大人たちが用意してあげることで運動神経が向上し結果的に野球の技術も向上していくので、野球を始めたばかりの子供の保護者の方は与え過ぎに注意をしましょう。

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