データ

OPSを活用

OPSとは出塁率+長打率
出塁率はアウトにならない能力(安打+四球+死球)÷(打数+四球+死球+犠飛)
長打率は一つでも先の塁に進む能力(塁打数÷打数)

OPSの特徴は得点との相関性が高いということ
つまり打率が良い選手を並べるよりも出塁率が高く長打も打てる選手を起用する方が得点能力が高くなるということ

各ポジション別にOPSの数値を出した時、OPSが明らかに劣っているポジションがある場合、控え選手にOPSが高い選手がいればコンバートするなどして起用してみることも検討すべき

(例)レフトの選手のOPSが低く、代打の切り札の選手(ポジションは捕手)のOPSが高い場合この選手をレフトにコンバートさせる方が得点力は高まる→守備重視で考える場合は考え方が変わってくる

OPSを高めるには?

OPSを高めるには長打率を高めることが重要
→長打を増やすには遠くに飛ばせる能力を高めることが一番シンプル
野手の間を抜くことでも長打にはなるが相手のポジショニングはコントロールできないので結果的に飛距離を出すことに専念すべき

長打が増えると相手バッテリーは警戒をしてボールから入ってきたり際どいコースを攻めてくるようになる
→四球も増えるので出塁率も高まる
2020年セ・リーグOPSトップは村上選手1.012 パ・リーグ1は柳田選手1.071
村上選手は長打率1位で四球も99個でリーグトップ
柳田選手は長打率1位で四球もリーグ3位

長打率を高めるには?

①打球速度

打球速度が150km/hを超えると本塁打の可能性が高まる
それだけではなく単打の割合も増えていることに注目
単純に打球が速くなれば相手の野手も打球に追いつけなくなるので当然の結果
打球速度は速ければ速いほど良い

②打球角度

「フライボール革命」はゴロよりもフライを打ち単打よりも長打を狙う考え方
ただなんとなくフライを打つのではなくバレルゾーンと呼ばれる角度にボールを飛ばすことで打率も長打率も高まというデータがある

具体的にはバレルゾーンに飛んだ打球は打率8割を超え、長打率も2.0を超える、しかし最低条件として打球速度が158km/hを超えていることが必要となる。この速度であれば26°〜30°の打球を打つことで長打の可能性が高まる

バレルゾーンの角度は打球速度によって以下のように変化する
159km/h →25°〜31°
161km/h →24°〜33°
187km/h →8°〜50°

187km/hの打球速度の場合どの角度に飛んでもある程度長打になるということ
逆に159km/h以下の場合は角度が上がりすぎてしまうとヒットにはならないが24°〜29°くらいの角度をつけて低いライナーから上がり過ぎないフライを狙うことで安打の確率を高めることができると考えられる。

投手編のデータ集でもあるように投手は失点を減らすためには、いかにゴロを打たせるかが重要
→裏を返せば打者はいかにゴロを打たないかが大切になってくる

下記データを見ると
ゴロの長打割合はわずか2%であり安打の割合も外野フライと変わらない
→ゴロは間を抜けてヒットになり外野フライは追いつかれてアウトになるイメージがあるがあくまでそれは印象に過ぎない
それならばOPSを高めるために長打の可能性が生まれる外野フライを打つことが望ましい
また角度をつける中でライナーも生まれるので外野フライ+ライナーで考えると84%が安打となり長打の割合も増える

ゴロは不要か?

しかし状況によってはゴロが求められる場面もある
①エンドラン
②ランナーが3塁にいて内野が定位置にいる時→転がせば1点

このようにランナーがいるケースではゴロが求められる時がある
また、天候によっては低い打球を打った方がメリットがある場合もある
逆風の時は→打球が戻されてしまうので外野を越えない
雨天時→グラウンドコンディションが悪ければゴロの処理は困難になるので点差が開き連打の見込みが低い場合は守備の乱れにかける方が可能性が高い

 

打球速度と打球角度を両立

打球速度と打球角度を両立させるためには、19°上向きの軌道でボールの0.6センチ下を打つ
ピッチャーが投げたボールはホップすることはなく上から下に落ちてくるその角度は140km/hのフォーシームの場合およそ5~8°
その軌道にバットの軌道を合わせることで最も強いインパクトとなるのでアッパー局面でインパクトすることを心がけよう

アッパースイングとアッパー局面は別物

スイングは「U字」「V字」のように表されるようにダウンスイングで始まり一度ヘッドが落ちてからインパクトに向けてヘッドが上がってくるようになっている。この上がってくるところが「アッパー局面」でありこの局面でボールをとられることでヒットの確率が高まる。逆に差し込まれてダウンスイング時にインパクトをするとボテボテのゴロや弱いフライになってしまう。

悪いアッパースイングはそもそもトップを作ったグリップの位置が極端に低かったり、遠回りしながらアッパー軌道に入ることでピッチャーのボールの軌道に合わないスイングのこと

走塁意識によっても長打率は左右される

長打力があるというとホームランバッターのイメージがあるが、2塁打を打てるだけでも充分長打力があるといえる
そう考えると、単打で終わりそうな打球も常に次の塁を狙うという走塁意識があれば2塁打や3塁打を増やすことができるので結果的に長打率が高まりOPSを高めることにもつながる。

走塁意識は個人で高めるものではなくチーム全体で高めるものなのでチームメイト同士で指摘し合うことがベスト

除脂肪体重とスイングスピード

バレルゾーンに入れるためには最低限158km/hの打球速度が必要という話が出たが、その158km/hを実現するためにはフィジカルが重要となってくる
158km/hの打球速度には128km/hのスイングスピード、徐脂肪体重65kgが必要
除脂肪体重とは脂肪を除いた体重なので体脂肪率が15%の場合74.8kg(74.8×0.15=)の体重があればおおよそ実現可能な数字
食事や筋力トレーニングにより「除脂肪体重」を増やしていくことが大切

除脂肪体重が増えるほど打球スピードは速くなるというデータも出ている
→打球スピードが速くなることで安打・長打の確率は高くなるのでパフォーマンスが上がることは間違いない

フルスイングの重要性

バレルゾーンに入れるための打球速度が158km/hに対してスイングスピードは128km/hとなるとハードルが低いように感じるかもしれないが試合では簡単にフルスイングはできない。実際の打席では自分の最速のスイングスピードから15%近く落ちてしまう。また2ストライクに追い込まれている状況では「三振をしてはいけない」2塁ランナーがいる場面では「進塁打を打ちたい」という心理状況によりスイングスピードが落ちてしまうことは明確。

長打を増やすには素振りやティーバッティングに近いフルスイングを打席で行う必要があるので空振りを恐れずに若いカウントからフルスイングをしていくことが重要。実際のデータでも打球速度が速い選手ほど空振り率が高いというデータも出ているので長打を狙える選手はフルスイングが試合でもできるように試してみよう。

2021年前半33本のホームランを量産した大谷選手は前年と比べると、三振や内野フライの完全アウト(投手のデータ集ページを参照)の割合が増えたが、内野ゴロの割合が大きく減った。また初球のスイング率が上がったことも注目したい。どうしても追い込まれてしまうと投手有利となってしまうので長打を打つためには空振りを恐れずに初球からフルスイングをする準備とマインドが大切。

内野フライが増えると長打が増える?

フライアウトとなると印象が悪いイメージがあるが実際のデータを見ると、打球速度を見ると0°~20°までの間ではそこまで差はない。
であれば長打がより狙えるフライを打つ方が有効、しかしフライを狙っていくとどうしても内野フライの割合は増えてしまうもの

内野フライはホームランと紙一重とよく言われるが実際に大谷選手は2021年内野フライが増えている
内野フライのデメリット進塁打が望めないことなどがあるが、外野深くまで飛ばせればタッチアップの可能性やゲッツーのリスクは減る
打者のタイプにもよるが長打を狙える選手は当てに行ってダブルプレーになるくらいであれば三振や内野フライの方がリスクが低いといえる

ただし、フライを狙うためにアッパースイングをするという考えは危険。ただアッパースイングをするのではなくスイングの中でよりフライが上がりやすいアッパー局面でボールを捉える意識が大切。(U字やV時スイングのアッパー局面)