野球の基本ルール⑩野球・攻撃側の作戦についてpart2

こんにちは
新宿区マンツーマン野球レッスン
BASEBALL FUTUREの依田です。

今回も前回に引き続き基本的な攻撃側の作戦について解説をしていきます。今回のテーマはバントです。

目次

バント(送りバント)

攻撃側の作戦として前回は盗塁、ヒットエンドラン、ランエンドヒットをお伝えしていきました。今回は盗塁と同じくよく使われる作戦の一つであるバントについてお伝えをしていきます。

バントはランナーがいる状況でランナーを次の塁に進めるために行う作戦です。具体的にはバッターが相手投手が投げたボールをバットを振らずにバットの面を前に出したまま当てることで弱いゴロを転がし、自分がアウトになる代わりにランナーを進めるものです。

盗塁もバントも目的はランナーを次の塁に進めることです。盗塁は成功すれば1アウトも取られません。しかし、バントの場合は犠打と言われるようにバッター自らが犠牲になり1アウトを取られて確実にランナーを送る作戦のためアウトカウントが一つ増えてしまいます。ではなぜみんな盗塁をしないのかというと盗塁の方がアウトになってしまう可能性が高いと考えられているからです。それに対してバントは上手く転がすことができれば、足の遅いランナーでも次の塁に送ることができるのでよく使われるのです。

この作戦は無死ランナー1塁や2塁の場面で使われることが多いです。その理由を解説します。

なぜノーアウトのケースでバントが多いのか?

まず無死1塁の場合はバントを行うことで内野ゴロでダブルプレーを取られてしまう可能性を減らすことができるからです。バントが成功して1死ランナー2塁の状況を作ることができれば、次のバッターもしくはその次のバッターがヒットを打ってくれればホームに生還できる可能性が高くなります。

無死2塁の場合はすでにダブルプレーのリスクがありませんし、シングルヒット一本で一点が入る可能性が高い状況です。ですがプロ野球でも良いバッターでヒットを打つ確率が3割というように投手有利なのが野球です。そのため一点をより確実に取りに行くためにバントが使われるのです。バントが成功して1死3塁となった場合ヒットが出れば確実にホームに生還することができます。また相手がバックホームに備えて前進守備を敷いてきた時バッターのヒットコースが広がります。さらにヒットを打たなくても外野フライを打つことでタッチアップを行い1点を取ることができます。

3塁にランナーがいると相手に与えるプレッシャーも大きく変わってきます。「エラーすれば1点」「ワイルドピッチで1点」このような心理的プレッシャーがあると相手のミスも増えるので有効と言えるでしょう。

しかしバントは必ずしも万能ではありません。少年野球の場合は盗塁の方が成功率が高いためバントはほとんど使われません。高校野球の場合でも一昔前であれば無死ランナー1塁の場合は必ずといっていいほど送りバントでしたが、現在では1死2塁を作るよりもヒッティングでチャンスを広げた方が得点の可能性が高いというデータも出てきています。また「バントは決めて当たり前」、「バントくらい決めろ」といった見方が強いですが実はバントを成功させるにはそれなりの技術が必要であり高い技術が求められるものです。

こうした背景からバントが絶対ではなくバッターやランナーそれぞれの能力や試合展開を分析しながらバントをするべきかどうかを検討するべきでしょう。

バントのセオリー

バントは基本的にはランナーを送ることができれば成功と言えるでしょう。しかし少しでも成功率を高めるためのセオリーが存在します。ケースごとに考えていきましょう。

1塁ランナーの場合

ランナー一塁のバント

1塁にランナーがいる場合バントを転がす方向は1塁側になります。その理由はファーストにゴロを捕らせることができればほぼ間違いなくバントが成功するからです。1塁ランナーのみの場合サードとピッチャーはバントに備えてホーム方向へダッシュを行います。特にサードはバントだと分かっていればピッチャーが投げる前からかなり前進をしてきてボールを捕りにきます。完璧にバントで打球を殺すことができれば問題ありませんが少しでも強い打球がサードやピッチャーに捕られてしまうと一塁ランナーは二塁でフォースアウトになってしまうだけでなく、相手の連携がうまければ最悪二塁から一塁に送球をされてダブルプレーとなってしまうでしょう。

対してファーストは投球ギリギリまで一塁ベース付近にいなければいけません。なぜならばランナーが一塁にいるからです。もし塁を開けてしまえば牽制ができなくなるためリードを大きく取られてしまうため、バントではなく盗塁をされてしまうでしょう。

こうした理由からランナー1塁のケースではファースト方向にバントをするのがセオリーとなります。

2塁ランナーの場合

ランナー二塁のバント

2塁にランナーがいるケースではバントを転がす方向は3塁側になります。正確にはサードに捕らせることが目標となります。まずこのケースではピッチャーとファーストがホーム方向へバントを捕りにダッシュをしてきます。先ほどダッシュができなかったファーストもランナーがいなくなることでダッシュを行うことができます。また1,2塁のケースでも前に2塁ランナーがいるため盗塁ができないのでダッシュをすることができるのです。逆にサードはダッシュをしてしまうと3塁がガラ空きになってしまうため盗塁をさせないためにもダッシュをすることができません。

この状況で三塁線に少し強めのゴロをバントで転がすことができればサードがとるしかなくなります。サードに取らせることができれば三塁には誰もいなくなるので2塁ランナーは楽々3塁に進むことができるでしょう。

三塁線に確実に転がす必要がある

しかしここでのバントは非常に難しいと言われています。なぜならば三塁方向に転がすことは相手も分かっているのでピッチャーも投球と同時にやや三塁よりにダッシュをしてくるからです。もしその打球がちょうど投手の捕りやすいところにきてしまうとそのまま三塁に投げられてしまいバントは失敗してしまいます。特に1,2塁のケースでは3塁はフォースプレーになるので確実にサードへ捕らせるように心がけましょう。

次回はスクイズについて

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