ボールの回転数を計測〜ラプソード〜

こんにちは
BASEBALL FUTURE
(ベースボールフューチャー)です。

先日、練習をサポートしているチームで「ラプソード」という機器を試験運用してみました。ボールの回転数や回転軸などを計測する機器です。
ラプソードという言葉を聞いたことがないという人も、トラッキングシステムという言葉だと聞いたことがあるのではないでしょうか。

トラッキングシステムとは、プロ野球でも導入されているシステムで、ピッチャーが投げるボールの

・球速
・回転数
・回転軸
・ボールの変化量
・投球角度
・リリースポイント
など、様々な要素を数値化することができるものです。

ラプソードは、その種の計測機器の一つで、キャッチャーの前に機器を置き、数値を計測するものです。

回転数などを測定する機器は、他にもあり、安価なものではボール自体に機器が内蔵されているものがありします。しかし測れる項目数が少なかったり独自の数値を使っているため、詳細なデータを掴めない可能性があります。

ラプソードは細かいデータが取れるため、これからの時代のピッチャーのレベルアップには欠かせないものとなってくると予想され、様々な球団でも使われています。

なぜラプソードを使って回転数などを測る必要があるのかをお伝えしていきます。

まず回転数と回転軸

回転数は一般的に1分間あたりにボールが何回転するかで表されます。
NPBのピッチャーの場合ストレートの回転数の平均値は2200回転ほどです。
この回転数が多いほどボールの変化量が大きくなります。

ここで気をつけなければいけないことは、ボールの回転軸です。
回転軸はボールが地面に対してどのような角度で回転しているかということです。

上の計測結果を見ると、A,Bの投手ともに球速は103キロとなっています。
そしてボールの回転数を見ると、

Aの投手が1620回転
Bの投手が1680回転

となっています。
こうしてみると一見、Bの投手の方が回転数が高いので良いと感じるかもしれません。しかしボールの変化量を見てみると、

Aの投手が縦に48.2cm
Bの投手が縦に31.4cm

となっています。
これはつまり同じところからボールを投げた場合、Aの投手の方がBの投手よりも17cm上をボールが通過するということなのです。
なぜこのようなことが起きるのかというと、それにボールの回転軸が関係しています。両者の回転軸を見ると

Aが01:06
Bが01:36

となっています。
この数字は地面に対して垂直でまっすぐなバックスピンの場合をアナログ時計の12時のラインとして表しておりAの投手はアナログ時計の1時6分のライン、同様にBの投手は1時36分のラインを軸としてボールが回転している
ということです。
つまりAの投手の方が12時に近いため、回転軸が地面に対して垂直に近くなるためボールにかかる揚力が高まり、それが17cmという差になって表れているのです。

上図はプロ野球選手のボールの回転数とボールの変化量を表しています。
このようにしてみると、回転数が多いことは良いことですが、回転軸によっては思ったようなボールの変化が見られず、空振りが取れない可能性があることがわかると思います。

こうした数値を計測することで、自分のボールがどのようなボールなのかを知ることができ、バッターに対する配球や攻め方も変わってきます。
例えば縦の変化量が大きければ、空振りやフライアウトを狙うピッチグ、
逆に横の変化が大きい場合は、打者に食い込むようなボールで攻めゴロアウトを狙うスタイルなど、考え方が変わっていきます。

ラプソードを使う最大のメリット

ボールの球速や回転数、回転軸などを計測することで得られる最大のメリットは、球速アップや球質の改善です。
近年甲子園を見ても球速がアップしているという印象がありますが、その背景には科学的なトレーニングや理論の他に、スピードガンの普及効果が
挙げられます。

スピードガンで球速を測る機会が増えたことで、数値が明確となり目標が立てやすくなりました。

それにより努力の結果が見えやすくなり、結果が見えることでモチベーションが高めやすくなるという好循環が生まれ、それが球速アップに繋がっているようです。

ラプソードを使い定期的に球速や回転数回転軸を測ることによっても、選手に新しい指標へのモチベーションを高めることができ、それにより練習の質が変わり、球速アップや回転数アップ、球質の改善を測ることができるのです。
今まで感覚的でしかなかったボールの伸びやホップする感覚、それらを数値化することで、あなたのチームの投手陣のレベルアップを測ってみませんか?

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